管理業務主任者 過去問
令和7年度(2025年)
問35

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問題

管理業務主任者試験 令和7年度(2025年) 問35 (訂正依頼・報告はこちら)

専有部分の修繕等に関する次の記述のうち、標準管理規約(単棟型)によれば、不適切なものはいくつあるか。

ア  共用部分又は他の専有部分に影響を与えるおそれがない修繕等を行う場合には、工事業者の出入りがあるとしても、あらかじめ、その旨を理事長に届け出る必要はない。
イ  理事長又はその指定を受けた者は、修繕等の承認又は不承認の判断に必要な範囲内において、修繕等の箇所に立ち入り、必要な調査を行うことができる。この場合において、当該区分所有者は、正当な理由がなければこれを拒否してはならない。
ウ  修繕等のうち、フローリング工事の場合には、専門家への確認が必要であり、その調査等に特別な費用がかかる場合には、当該区分所有者に負担させることができる。
エ  理事長の承認を受けた修繕等の工事の場合、その工事後に、当該工事により共用部分又は他の専有部分に影響が生じたときは、当該区分所有者と管理組合が共同して責任を負う。
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この過去問の解説 (3件)

01

不適切なものは、アとエの二つです。選ぶべきものは、「二つ」です。

標準管理規約(単棟型)では、専有部分の修繕等について、共用部分や他の専有部分に影響を与えるおそれがある場合は、あらかじめ理事長に申請して承認を受ける必要があります。また、承認までは必要ない修繕等でも、工事業者の出入り、資材の搬入、騒音、振動、臭気などについて管理組合が事前に把握する必要がある場合は、あらかじめ理事長へ届け出る必要があります。さらに、承認を受けた工事であっても、工事後に共用部分や他の専有部分へ影響が出た場合は、工事を発注した区分所有者が責任と負担を負います。

選択肢2. 二つ

ア 共用部分又は他の専有部分に影響を与えるおそれがない修繕等を行う場合には、工事業者の出入りがあるとしても、あらかじめ、その旨を理事長に届け出る必要はない。

アは不適切です。

共用部分や他の専有部分に影響を与えるおそれがない修繕等であれば、理事長の承認までは不要な場合があります。

しかし、承認が不要な工事でも、工事業者の出入り、資材の搬入、騒音、振動、臭気などにより、管理組合が事前に把握する必要がある場合は、あらかじめ理事長に届け出る必要があります

したがって、「工事業者の出入りがあるとしても届け出る必要はない」と言い切っている点が誤りです。

 

イ 理事長又はその指定を受けた者は、修繕等の承認又は不承認の判断に必要な範囲内において、修繕等の箇所に立ち入り、必要な調査を行うことができる。この場合において、当該区分所有者は、正当な理由がなければこれを拒否してはならない。

イは適切です。

理事長は、修繕等の申請があったときに、共用部分や他の専有部分に影響が出ないかを確認する必要があります。

そのため、理事長または理事長から指定を受けた人は、必要な範囲で修繕等の箇所に立ち入り、調査を行うことができます。

区分所有者は、正当な理由がなければ、この立入りや調査を拒むことはできません。これは、マンション全体の安全や他の住戸への影響を確認するために必要な手続です。

 

ウ 修繕等のうち、フローリング工事の場合には、専門家への確認が必要であり、その調査等に特別な費用がかかる場合には、当該区分所有者に負担させることができる。

ウは適切です。

フローリング工事は、床材を変えるだけのように見えても、下の階への音の響き方に影響することがあります。

そのため、遮音性などについて専門的な確認が必要になる場合があります。管理組合が判断するために専門家の確認や調査が必要となり、特別な費用がかかる場合には、その工事を行う区分所有者に負担させることができます

これは、個人の工事のために生じた特別な確認費用を、管理組合全体の負担にしないためです。

 

エ 理事長の承認を受けた修繕等の工事の場合、その工事後に、当該工事により共用部分又は他の専有部分に影響が生じたときは、当該区分所有者と管理組合が共同して責任を負う。

エは不適切です。

理事長の承認を受けて工事をした場合でも、その後に工事が原因で共用部分や他の専有部分に影響が出たときは、管理組合と共同で責任を負うわけではありません。

標準管理規約では、この場合、工事を発注した区分所有者の責任と負担で必要な措置をとるものとされています。

承認を受けたからといって、管理組合が工事後の不具合について当然に共同責任を負うわけではありません。

まとめ

この問題では、専有部分の修繕等について、承認が必要な場合、届出が必要な場合、工事後の責任を分けて考えることが大切です。

共用部分や他の専有部分に影響を与えるおそれがある修繕等は、理事長の承認が必要です。

承認が不要な修繕等でも、工事業者の出入りや資材搬入などにより管理組合が事前に把握する必要がある場合は、理事長への届出が必要です。

また、フローリング工事のように専門的な確認が必要な場合、その調査等に特別な費用がかかれば、工事を行う区分所有者に負担させることができます

一方、承認を受けた工事であっても、工事後に共用部分や他の専有部分へ影響が出た場合は、工事を発注した区分所有者が責任と負担を負います

したがって、不適切なものはアとエの二つであり、選ぶべきものは「二つ」です。

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02

マンションの自室をリフォームするするときなどは理事長の承認などを得る必要があることを中心とした論点からの出題です。

選択肢2. 二つ

理事長の承認は不要ですが、届け出が必要です。組合としても業者の出入りは把握しておきたいからです。不適切です。

理事長が入ってこないと調査できないので、拒否できません。適切です。

管理規約17条コメントでは、費用負担は区分所有者であるとしています。適切です。

管理規約17条では工事の責任は区分所有者がとる事とされています。不適切です。

まとめ

マンションの部屋をリフォームしたいときに、覚えておくことです。頻出論点です。

参考になった数0

03

 一戸建てなら所有者が自由にリフォームできるでしょう。しかし<専有部分の修繕等>は共用部分又は他の専有部分に影響を与えるかもしれないので「標準管理規約(単棟型)」(以下、単に管理規約と略します)は、一定のルールを定めています。具体的には、管理規約第17条で「共用部分又は他の専有部分に影響を与えるおそれのあるもの」を行う際には、理事長の書面による事前承認を必要とする仕組みを定めています。


ア(不適切)本肢は<工事業者の出入りがあるとしても、あらかじめ、その旨を理事長に届け出る必要はない>という箇所が不適切です。

 管理規約第17条第7項は「工事業者の立入り‥‥等工事の実施中における共用部分又は他の専有部分への影響について管理組合が事前に把握する必要があるものを行おうとするときは、あらかじめ、理事長にその旨を届け出なければならない」と定めています。

 本肢の工事内容は<共用部分又は他の専有部分に影響を与えるおそれがない修繕等>です。工事完了後は影響を与えるおそれがないとしても、工事の実施中は<工事業者の出入り>や資機材の搬入があるでしょうし、騒音・振動・臭気が生じるかもしれません。そうした「管理組合が事前に把握する必要があるもの」は届け出る必要があります。


イ(適切)管理規約第17条第5項は<修繕等の承認又は不承認の判断に必要な範囲内>に関して「理事長又はその指定を受けた者は、‥‥修繕等の箇所に立ち入り、必要な調査を行うことができる。この場合において、区分所有者は、正当な理由がなければこれを拒否してはならない」と定めています。同趣旨の本肢は適切です。


ウ(適切)管理規約第17条関係コメントは②で、理事長承認が必要な工事の具体例の一つに「床のフローリング」を挙げています。さらにコメント⑤は、承認又は不承認の判断に当たって、専門的知識を有する者(建築士、建築設備の専門家等)の意見を聴くことなどを「考慮する」としたうえで、「特に、フローリング工事の場合には、構造、工事の仕様、材料等により影響が異なるので、専門家への確認が必要である」と、わざわざ明記しています。本肢前半は適切です。

 続くコメント⑥は「承認の判断に際して、調査等により特別な費用がかかる場合には、申請者に負担させることが適当である」と述べています。申請者とは、専有部分の修繕等を予定していて理事長承認を申請した区分所有者のことです。同趣旨の本肢後半も適切です。


エ(不適切)本肢は<当該区分所有者と管理組合が共同して責任を負う>という箇所が不適切です。

 本肢のように<工事後に、当該工事により共用部分又は他の専有部分に影響が生じたとき>について、管理規約第17条第6項は「当該工事を発注した区分所有者の責任と負担により必要な措置をとらなければならない」と定めています。管理組合が共同して責任を負うわけではありません。

 <理事長の承認を受けた修繕等の工事>とはいっても、工事をしてもよいという承認であって、実際に工事をするか否かを決めたのは区分所有者だからです。管理規約第17条関係コメント⑪は第6項について、理事長の承認が「当該工事を発注した区分所有者の責任や負担を免責するものではないことを確認的に定める趣旨である」と解説しています。


以上により、不適切なものは二つです。

まとめ

本問では出題されていない内容も含めて、管理規約第17条の規定をまとめると次の通りです。「共用部分又は他の専有部分に影響を与えるおそれ」の有無によって違いがありますが、いずれにせよ、専有部分の工事だからといって、理事長や管理組合に何も知らせずに着工することはできません。
 

①影響のおそれがある場合

・理事長への申請と、理事長の書面による事前承認が必要

 ※承認を受けずに着工したら、理事長は勧告等を行う

・申請書には設計図、仕様書、工程表を添付(見積書は不要)

・理事長は、理事会の決議により承認又は不承認を決める

・承認又は不承認に必要な範囲で立入り調査できる

・工事後に影響が生じた場合、区分所有者が必要な措置


②影響のおそれがない場合

・工事業者の立入り等は理事長に届出

・管理組合は届出内容を掲示等で周知

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