管理業務主任者試験は、国土交通省所管の国家試験で、マンション管理の専門家を育成する目的で実施されています。
法律上の根拠は「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」です。
「5人に1人が受かる」と聞くと難関に感じますが、出題範囲は法令・会計・設備が王道なので過去問学習が最短ルートです。
試験会場は冷えることも多く、マークミス防止のためカイロ持参で臨む受験生もいます。
管理業務主任者 過去問
解説あり
試験最新情報
令和8年度 試験日(予想)
2026年12月6日(日)
試験日まで、357日
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管理業務主任者について
管理業務主任者試験とは
管理業務主任者の仕事内容
管理業務主任者は、管理会社が受託した業務の内容と経過をチェックし、区分所有者に説明する役割を担います。
たとえば大規模修繕の積立金や会計処理が正しいかを確認し、業務報告書を作成します。
専門用語をかみ砕いて説明すると理事長に喜ばれることが多く、雑談で最新のマンション設備事情を挟むと場が和みます。
エレベーター保守契約や消防設備点検など設備系の知識も必要なので、文系出身でもメカ好きなら適性があります。
管理業務主任者の役割
法律は、営業所で受託している管理組合30組合につき1名以上の主任者を置くよう義務づけています。
主任者は重要事項説明書と管理委託契約書に記名押印し、内容を最終確認する“品質保証係”です。
※法令違反時の扱い:違反内容により、監督処分(指示・業務停止)や罰金等の対象となる場合があります(例:必要書面の不交付には罰金規定あり)。
管理業務主任者になるには
まず試験合格が第一歩です。
合格後は地方整備局に登録申請を行い、登録証の交付を受けます。
登録には実務経験2年以上または登録実務講習修了が必要なので、未経験者は講習でスキルを磨くのが一般的です。
登録後、管理会社に就職し主任者証を掲げれば晴れてデビュー。
現場ではマンション管理士や建築士とチームを組むことも多く、法律+設備+会計の総合力が試されます。
さらに宅建士やマンション管理士を追加取得すると、プロジェクトリーダーを任されるチャンスが広がります。
勉強方法
必要な勉強時間
管理業務主任者試験に合格するまでの標準的な学習量は約300時間といわれます。
1日2時間ペースならおよそ5か月、3時間確保できれば約3か月で到達できます。
すでに宅建士やマンション管理士を持つ人は法令科目が重複するため、200時間前後に圧縮するケースもあります。
逆に法律の学習経験がない場合は、条文を読むのに時間がかかりやすいので+50~80時間の余裕を見ておくと安心です。
合格率は例年20%前後で推移しており、時間的な投資感覚でいえば「300時間で20%の確率をつかみに行くゲーム」とイメージすると計画が立てやすくなります。
仕事や家事でまとまった時間が取れない日は、通勤の片道で10問、昼休みに5問といったスキマ時間の“積み貯金”も意外に効きます。
勉強アプリで一問一答を解けば、電車が遅延しても「予定外のボーナス問題」と前向きに切り替えられるのが便利です。
効率的な学習方法
まずはインプット→アウトプットの王道サイクルを徹底します。
①市販テキストを1冊決めて通読+要点マーカー。
②続けて過去問10年分を最低5回まわします。
1周目は解説を読んでも理解できない肢に付箋を貼り、2周目で付箋をはがせたら合格、とゲーム感覚で進めると飽きにくいです。
過去問は同じ出版社のテキストとシリーズをそろえると解説用語が統一され、照合作業のストレスが減ります。
苦手テーマは分野別に小分けして解くと記憶が上書きされやすく、「民法の日」「会計の日」と決めると効率が上がります。
法改正は出題頻度が高いので、8~9月に出る最新版の問題集や試験機関の正誤表を必ず確認し、古い情報で間違えないようにします。
最後の1か月は予想問題集+時間計測で本番の50問・2時間のリズムを体に覚えさせます。
息抜きにマンションのエントランスを眺めながら「ここは標準管理規約○条でいう専有部分だな」などと身の回りを“教材化”すると、記憶のフックが増えて意外と頭に残ります。
コーヒー派はカフェイン効果が切れる前にアウトプット、紅茶派はリラックスしながら条文読解――自分の“飲み物ルーティン”を決めるのも集中力を保つコツです。
管理業務主任者の関連資格
マンション管理士
マンション管理士は、マンションの管理について、管理組合や区分所有者からの相談に応じる総合アドバイザーです。
・管理規約
・区分所有法
・会計・税務
などを横断的に見渡して助言します。根拠法は、管理業務主任者と同じ「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」です。
試験は毎年11月最終日曜日に実施されることが多く、問題数は50問のマークシート式です。
管理業務主任者試験と出題科目が7割程度重なると言われており、
「マンション管理士→管理業務主任者」または「管理業務主任者→マンション管理士」と秋に2連戦する受験生も多くいます。
マンション管理士は、試験に合格した後、登録申請をして登録されることで名乗って活動できます。
そのうえで、5年ごとに法定講習を受講する義務があり、登録後も継続的に知識をアップデートする仕組みになっています。
試験翌日はSNSなどで
「民法がひねりすぎだった」
「あの区分所有法の問題が難しかった」
といった感想戦が行われ、同じ試験を受けた仲間との交流のきっかけにもなります。
宅地建物取引士(宅建士)
不動産取引で「重要事項説明書」と「契約書」の読み合わせを担当する看板資格です。
根拠法は 「宅地建物取引業法」 の第35条・第37条で、業界では“35条書面”が合言葉です。
試験日は 10月第3日曜日。
民法や宅建業法が主任者試験と重なるため、「宅建→主任者→マン管」と三段跳びする学習ルートが定番です。
名刺に宅建士と管理業務主任者の両方を並べると、売買も管理も語れる人として二度見されること請け合いです。
建築物環境衛生管理技術者(ビル管)
延床3,000平方メートル超の施設に選任が義務づけられる、いわば “ビル衛生の番人” です。
法律は 「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」 で厚生労働省所管となります。
合格率はやや高めですが、実務経験または講習修了が受験資格なのでハードルは別にあります。
マンション設備担当として働きつつ受験する人も多く、主任者と組み合わせると「管理+衛生設備」の二刀流になれます。
理事会で空調や給排水の更新を提案するとき、ビル管資格があると説得力が一段上がるのが隠れたメリットです。
一級建築士
設計・工事監理のプロフェッショナルで、大規模修繕では 技術アドバイザー として重宝されます。
根拠法は 「建築士法」 で、国土交通大臣が実施する国家試験に合格し登録すると名刺に「一級建築士」と刻めます。
学科5科目に加え製図試験もあります。
受験仲間と深夜の図面マラソンをするのが都市伝説的な恒例行事ですが、図面を書き上げた瞬間の達成感は格別です。
管理業務主任者と一級建築士を両方持つと、長期修繕計画や工事監理で 法務と技術を一手に担う存在 になり、理事会での発言力が一気に跳ね上がります。
関連資格のまとめ
管理業務主任者の周辺には、マンション管理士、宅建士、ビル管、一級建築士という “四大スター” が控えています。
試験月がずれているので一年サイクルで段階的に挑めるうえ、科目が重なるため 学習シナジーが高い のが特徴です。
お気に入りのコンビニカフェラテで気分転換しつつ条文をめくれば、法律用語も案外スッと頭に入ってきますよ。
試験概要
試験会場
8地域(北海道・宮城・東京・愛知・大阪・広島・福岡・沖縄)および周辺地域。
会場名は非公表で、Web申込は申込後に会場を選択(先着順)、郵送申込は受験票で協会が指定します。
試験日時
2025年12月7日(日)13:00〜15:00(12:40から受験上の注意説明)。
出題基準
試験問題は、「試験年度の4月1日現在で施行されている法令」に基づいて作成されます。
おもな出題分野は次のとおりです。
1.管理事務の委託契約に関する事項
2.管理組合の会計の収入・支出に関する事項(税務を含む)
3.建物および附属設備の維持・修繕に関する企画や実施調整に関する事項
4.マンションの管理の適正化の推進に関する法律などの法令に関する事項
5.上記1〜4のほか、管理事務の実施に関する事項
実務寄りの問題から、法律・会計・設備の知識を問う問題まで、バランスよく出題されます。
受験手数料
8,900円(非課税)。Web申込は事務手数料297円 が別途かかります。
合格発表日
2026年1月16日(金) に協会サイトで合格者の受験番号と合格基準点などが掲示されます。
出題方式
マークシート四肢択一 50問。
試験時間120分で、途中退室不可です。数字計算はほぼありません。
受験申込方法
Web申込(協会マイページ)または郵送の二方式。Webは入力と決済で完結、郵送は特定記録郵便で書類を送ります。
受験申請受付期間
Web:2025年8月4日(月)10:00頃〜9月30日(火)23:59/郵送:8月1日(金)〜8月29日(金)。
受験票の交付
Web申込:2025年10月29日(水)頃にマイページ掲示
郵送申込:11月5日(水)頃に圧着はがき発送。
免除制度
マンション管理士試験の合格者は申請により5問免除(マンション管理適正化法に関する問題)を受けられます。
問題数は45問、試験時間は 13時10分〜15時00分に短縮されるのが特徴。
マン管→管業の“2連戦”を選ぶ人にとって、たった5問でも心理的ハードルが下がると評判です。
合格情報
合格基準
管理業務主任者試験は、全50問を正答数で評価します。
ただし、合格に必要な点数(合格基準点)は、
あらかじめ固定された点数ではなく
その年の問題の難易度や受験者全体の得点状況を踏まえた相対評価で決められます。
過去10年の合格基準点は、50点満点中33〜38点の範囲で推移しており、
正答率にするとおおむね70〜76%程度です。
直近では、2024年度の合格基準点は38点で、過去10年で最も高い水準となりました。
また、マンション管理士試験に合格している受験者は、前述のとおり5問免除を受けたうえで受験でき、その場合の合格基準点も通常より5点低く設定されます(例:2024年度は45点満点中33点)。
免状の交付
試験に合格しただけではまだ現場に立てません。
まず国土交通省地方整備局などへ登録申請(実務経験2年以上または登録実務講習修了が条件)を行い、登録通知を受け取ります。
次に、写真・収入印紙2,300円分などを添えて管理業務主任者証の交付申請を郵送で提出します。
主任者証は有効期間5年で、継続して業務に就くには更新前6か月以内の講習受講と再交付申請が必要です。
登録から交付までは約30日かかるため、合格発表後は早めに書類を整えておくとスムーズです。
合格率の推移
| 試験年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 2024年(令和6) | 14,850 | 3,159 | 21.3% |
| 2023年(令和5) | 14,652 | 3,208 | 21.9% |
| 2022年(令和4) | 16,217 | 3,065 | 18.9% |
| 2021年(令和3) | 16,538 | 3,203 | 19.4% |
| 2020年(令和2) | 15,667 | 3,739 | 23.9% |
| 2019年(令和元) | 15,591 | 3,617 | 23.2% |
| 2018年(平成30) | 16,249 | 3,531 | 21.7% |
| 2017年(平成29) | 16,950 | 3,679 | 21.7% |
| 2016年(平成28) | 16,952 | 3,816 | 22.5% |
| 2015年(平成27) | 17,021 | 4,053 | 23.8% |
過去10年平均の合格率はおおむね20〜23%で安定しており、「5人に1人が合格する」難度が続いています。
数字だけ見ると厳しめですが、出題範囲が固定されているため、過去問演習を計画的に積み重ねれば十分射程に入る試験と言えます。