管理業務主任者 過去問
令和7年度(2025年)
問33
問題文
標準管理規約(単棟型)によれば、駐車場の使用に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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問題
管理業務主任者試験 令和7年度(2025年) 問33 (訂正依頼・報告はこちら)
標準管理規約(単棟型)によれば、駐車場の使用に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 駐車場使用契約をしている区分所有者が、その専有部分を第三者へ譲渡した場合、譲り受けた区分所有者が駐車場の使用を希望するときは、管理組合と新たな駐車場使用契約を締結しなければならない。
- 区分所有者が管理組合と駐車場使用契約を締結する場合、当該駐車場に常時駐車する車両の所有者、車両番号及び車種をあらかじめ管理組合に届け出るものとする。
- 駐車場使用料の額は総会議決事項であるため、駐車場使用料の値上げは、総会決議があれば、駐車場使用者の同意がなくても可能である。
- 管理組合は、管理費が不足した場合、駐車場使用料の値上げをして、駐車場の管理に要する費用に充てるほか、その余剰分を管理費に充当することができる。
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この過去問の解説 (3件)
01
最も不適切なものは、「管理組合は、管理費が不足した場合、駐車場使用料の値上げをして、駐車場の管理に要する費用に充てるほか、その余剰分を管理費に充当することができる。」です。
標準管理規約(単棟型)では、駐車場使用料は、まず駐車場の管理に要する費用に充てます。そして余剰分は、管理費ではなく修繕積立金として積み立てるものとされています。そのため、管理費が不足したからといって、駐車場使用料の余剰分を管理費に充当できるとする記述は不適切です。国土交通省の標準管理規約でも、駐車場使用料などの使用料は、それらの管理に要する費用に充てるほか、修繕積立金として積み立てるとされています。
これは適切です。
標準管理規約では、駐車場を使っている区分所有者が、その専有部分を第三者に譲渡した場合、その区分所有者の駐車場使用契約は効力を失うとされています。
つまり、住戸を買った人が、前の所有者の駐車場使用契約をそのまま当然に引き継ぐわけではありません。
譲り受けた区分所有者が駐車場を使いたい場合は、管理組合と新たに駐車場使用契約を結ぶ必要があります。
これは適切です。
駐車場を適切に管理するためには、どの車がどの区画を使っているのかを管理組合が把握しておく必要があります。
そのため、駐車場使用契約を結ぶ場合には、常時駐車する車両について、所有者、車両番号、車種などをあらかじめ届け出ることが求められます。
これは、無断駐車や契約外の車両使用を防ぎ、駐車場を安全に管理するためのものです。
これは適切です。
駐車場使用料の額は、管理組合の運営に関わる重要な事項です。そのため、管理組合の総会で決める事項になります。
駐車場使用料は、特定の使用者だけの問題ではなく、共用部分等の使用料として、管理組合全体の会計にも関係します。
したがって、規約や使用細則に従い、総会決議によって使用料を変更することができます。その場合、駐車場使用者一人ひとりの個別の同意がなければ値上げできない、というわけではありません。
これは不適切です。
駐車場使用料は、まず駐車場の管理に必要な費用に充てます。たとえば、駐車場設備の維持、点検、修繕などに使うことが考えられます。
しかし、余剰分の扱いについては、標準管理規約では修繕積立金として積み立てるものとされています。
そのため、管理費が不足しているからといって、駐車場使用料の余剰分を当然に管理費へ充当することはできません。
この点で、この記述が最も不適切です。
この問題では、駐車場使用契約の承継と駐車場使用料の使い道を整理することが大切です。
駐車場使用契約は、住戸の譲渡によって当然に新所有者へ引き継がれるものではありません。新しい区分所有者が駐車場を使いたい場合は、新たな駐車場使用契約が必要です。
また、駐車場を管理するため、使用する車両の所有者、車両番号、車種などを届け出ることも必要です。
駐車場使用料の額は、総会決議により変更できます。
一方、駐車場使用料の余剰分は、標準管理規約では管理費ではなく修繕積立金として積み立てるものです。
したがって、最も不適切なものは、「管理組合は、管理費が不足した場合、駐車場使用料の値上げをして、駐車場の管理に要する費用に充てるほか、その余剰分を管理費に充当することができる。」です。
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02
駐車場の使用に関する「標準管理規約(単棟型)」(以下、単に管理規約と略します)の基本的なルールが問われています。
(適切)管理規約第15条第3項は「区分所有者がその所有する専有部分を、他の区分所有者又は第三者に譲渡又は貸与したときは、その区分所有者の駐車場使用契約は効力を失う」と定めています。専有部分の譲渡に付随して、駐車場使用契約も第三者へ移転するわけではありません。<譲り受けた区分所有者>は新たに駐車場使用契約を締結する必要があり、本肢は適切です。
(適切)管理規約第15条第1項は「管理組合は、‥‥駐車場について、特定の区分所有者に駐車場使用契約により使用させることができる」と定め、第15条関係コメント⑤は同契約のひな型を示しています。ひな型では「駐車場に常時駐車する車両の所有者、車両番号及び車種をあらかじめ甲(管理組合)に届け出るものとする」と明記されており、同趣旨の本肢は適切です。
(適切)駐車場使用料の値上げは「管理費等及び使用料の額並びに賦課徴収方法」に当たり、管理規約第48条第6号で総会の議決事項に指定されています。本肢前半は適切です。
本肢後半の<駐車場使用者の同意>という論点に関しては、区分所有法と最高裁判例の知識を押さえておきましょう。
まず、区分所有法第31条第1項後段は「規約の設定、変更又は廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない」と定めています。もしも、規約変更によって値上げする総会決議が駐車場使用者に「特別の影響」を及ぼすのならば、個別の承諾や<同意>が必要になります。
この点が争われた平成10年10月30日の最高裁判例は「管理組合‥‥は、法の定める手続要件に従い、規約又は集会決議をもって、専用使用権者の承諾を得ることなく使用料を増額することができるというべきである」と述べました。さらに「増額の必要性及び合理性が認められ、かつ、増額された使用料が当該区分所有関係において社会通念上相当な額であると認められる場合」には、使用料値上げは「特別の影響」を及ぼすものではない、という判断も示しました。この判例に従えば、値上げは<駐車場使用者の同意がなくても可能>という本肢は適切と言えます。
(不適切)本肢は<その余剰分を管理費に充当することができる>という箇所が不適切です。
管理規約第29条は駐車場使用料について「管理に要する費用に充てるほか、修繕積立金として積み立てる」と規定しています。使用料値上げと共に規約も改正しない限り、余剰分であっても管理費に充当することはできません。
管理規約第15条関係コメントは読み応えがあります。
・「近時、駐車場の需要が減少しており、空き区画が生じているケースもある」ので「組合員以外の者に使用料を徴収して使用させることも考えられる」
・「電気自動車等用充電設備(以下「充電設備」という。)を設置する際には、充電設備の使用上のルールや使用料についても、併せて駐車場使用細則等に定めることが望ましい」
こうした最近の動きを加味した記述が多数あります。
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03
標準管理規約からの駐車場に関する頻出論点です。
区分所有者が専有部分を譲渡した場合は駐車場使用契約は効力を失うとあります(標準規約の15条)正しいです。
車両の所有者、車両番号及び車種をあらかじめ管理組合に届け出るものとする(標準管理規約コメント)。よって正しいです。
標準規約の48条には総会の決議で、駐車場使用料の値上げ(使用料の額)を決めるとあります。駐車場使用料の値上げは、判例により使用者に特別な影響を与えないものとされています。よって同意はなくてもかまいません。
管理規約29条によると、余剰分は修繕積立金として積み立てるとあります。管理費に充当するわけではありません。
管理規約とそのコメントから駐車場まわりの事を問われています。
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