管理業務主任者 過去問
令和7年度(2025年)
問32

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問題

管理業務主任者試験 令和7年度(2025年) 問32 (訂正依頼・報告はこちら)

窓ガラスに関する次の記述のうち、標準管理規約(単棟型)によれば、最も適切なものはどれか。
  • 専有部分である住戸に付属する窓ガラスを当該住戸の賃借人が割った場合には、管理組合がその責任と負担において修繕を行う。
  • 専有部分である住戸に付属する窓ガラスを空き巣狙いが割った場合には、当該住戸の区分所有者がその責任と負担において修繕を行う。
  • 専有部分である住戸に付属する窓ガラスを、より断熱性等に優れた複層ガラスに交換する工事は、原則として、当該住戸の区分所有者がその責任と負担において行う。
  • 専有部分である住戸に付属する窓ガラスが台風等で割れて当該住戸に雨が吹き込んでしまう状況となった場合、当該住戸の区分所有者自身の判断で、同様の仕様の窓ガラスに張り替えを行う。

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この過去問の解説 (3件)

01

最も適切なものは、「専有部分である住戸に付属する窓ガラスが台風等で割れて当該住戸に雨が吹き込んでしまう状況となった場合、当該住戸の区分所有者自身の判断で、同様の仕様の窓ガラスに張り替えを行う。」です。

標準管理規約(単棟型)では、窓ガラスは専有部分には含まれず、共用部分として扱われます。ただし、台風などで窓ガラスが割れ、室内に雨が吹き込むような緊急の場合は、区分所有者が同様の仕様の窓ガラスに張り替えることができます。これは、専有部分の使用に支障があり、緊急を要する保存行為に当たるためです。国土交通省の標準管理規約でも、窓ガラスは専有部分に含まれないこと、緊急を要する場合は区分所有者が保存行為を行えること、台風等で割れた窓ガラスを同様の仕様で張り替える例が示されています。

選択肢1. 専有部分である住戸に付属する窓ガラスを当該住戸の賃借人が割った場合には、管理組合がその責任と負担において修繕を行う。

これは適切ではありません。

窓ガラスは共用部分として扱われますが、各住戸のために使われる部分でもあります。

標準管理規約のコメントでは、同居人や賃借人などが窓ガラスを破損した場合は、通常の使用に伴うものとして扱い、その住戸の専用使用権を有する者が責任と負担を負うとされています。

そのため、賃借人が割った場合に、管理組合が当然に責任と負担を負うという説明は適切ではありません。

選択肢2. 専有部分である住戸に付属する窓ガラスを空き巣狙いが割った場合には、当該住戸の区分所有者がその責任と負担において修繕を行う。

これは適切ではありません。

空き巣狙いのような第三者の犯罪行為によって窓ガラスが割られた場合は、住戸の区分所有者や賃借人の通常の使用による破損とはいえません。

標準管理規約のコメントでは、バルコニー等の破損が第三者による犯罪行為等によることが明らかな場合は、通常の使用に伴わないものとして、管理組合が責任と負担において保存行為を行うとされています。

そのため、空き巣狙いが割った窓ガラスを、当該住戸の区分所有者が当然に責任と負担で修繕するという説明は適切ではありません。

選択肢3. 専有部分である住戸に付属する窓ガラスを、より断熱性等に優れた複層ガラスに交換する工事は、原則として、当該住戸の区分所有者がその責任と負担において行う。

これは適切ではありません。

複層ガラスへの交換は、防音性や断熱性などを高めるための窓ガラス等の改良工事に当たります。

標準管理規約では、このような開口部の改良工事は、原則として管理組合が責任と負担において、計画修繕として実施するものとされています。

ただし、管理組合がすぐに工事を実施できない場合には、区分所有者が理事長に申請し、承認を受けたうえで、自分の責任と負担で行うことができます。つまり、区分所有者が行うのは例外的な場合です。

そのため、「原則として区分所有者が行う」としている点が適切ではありません。

選択肢4. 専有部分である住戸に付属する窓ガラスが台風等で割れて当該住戸に雨が吹き込んでしまう状況となった場合、当該住戸の区分所有者自身の判断で、同様の仕様の窓ガラスに張り替えを行う。

これは適切です。

窓ガラスが台風などで割れ、室内に雨が吹き込んでいる場合、そのまま放置すると住戸内に被害が広がるおそれがあります。

標準管理規約では、共用部分等の保存行為について、原則として勝手に行うことはできません。ただし、専有部分の使用に支障が生じていて、緊急を要する場合には、その専有部分の区分所有者が保存行為を行うことができます。

コメントでも、台風等で住戸の窓ガラスが割れ、雨の吹き込みを防ぐために、割れたものと同様の仕様の窓ガラスに張り替えるケースが例として挙げられています。

そのため、この記述が最も適切です。

まとめ

この問題では、窓ガラスが共用部分であることと、誰が責任と負担を負うかを分けて考えることが大切です。

窓ガラスは、専有部分には含まれず、共用部分として扱われます。

ただし、賃借人などが割った場合は、通常の使用に伴うものとして、その住戸の専用使用権を有する者の負担になります。

空き巣狙いのような第三者の犯罪行為による破損は、通常の使用に伴うものではないため、管理組合の責任と負担になります。

複層ガラスへの交換のような改良工事は、原則として管理組合が計画修繕として行うものです。

一方、台風などで窓ガラスが割れ、雨が吹き込むような緊急の場合は、区分所有者が同様の仕様の窓ガラスに張り替えることができます。

したがって、最も適切なものは、「専有部分である住戸に付属する窓ガラスが台風等で割れて当該住戸に雨が吹き込んでしまう状況となった場合、当該住戸の区分所有者自身の判断で、同様の仕様の窓ガラスに張り替えを行う。」です。

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02

 本問に出てくる<専有部分である住戸に付属する窓ガラス>は、専有部分でしょうか、共用部分でしょうか。「標準管理規約(単棟型)」(以下、単に管理規約と略します)での取り扱いが問われています。

 

 各選択肢の解説に入る前に、上記について、まず回答を説明します。

 管理規約第7条第2項第3号は「窓枠及び窓ガラスは、専有部分に含まれないものとする」と明記しています。共用部分の範囲を定めた管理規約第8条と別表第2によると、専有部分に属さない「建物の部分」は共用部分に含まれるので、<専有部分である住戸に付属する窓ガラス>は共用部分として扱うことになります。一方で、管理規約第14条と別表第4で「各住戸に付属する玄関、窓枠、窓ガラス」については、当該専有部分の区分所有者が「専用使用権を有することを承認」されています。

 では、誰が管理するのか。管理規約第21条第1項は、共用部分の管理は管理組合が行うという原則に続いて、ただし書で、通常の使用に伴う保存行為については「専用使用権を有する者が‥‥行わなければならない」と例外を明記しています。通常の使用に伴うもの、がキーワードです。

選択肢1. 専有部分である住戸に付属する窓ガラスを当該住戸の賃借人が割った場合には、管理組合がその責任と負担において修繕を行う。

(不適切)本肢は<管理組合がその責任と負担において修繕を行う>という箇所が不適切です。

 共用部分だから管理組合かなとも思えますが、<当該住戸の賃借人が割った場合>は責任の所在が明らかで、組合の負担で修繕するのは、他の組合員から見れば納得できませんよね。管理規約第21条関係コメント⑥は「同居人や賃借人等による破損については、「通常の使用に伴う」ものとして、‥‥専用使用権を有する者がその責任と負担において保存行為を行うものとする」と定めており、管理組合が行うわけではありません。

選択肢2. 専有部分である住戸に付属する窓ガラスを空き巣狙いが割った場合には、当該住戸の区分所有者がその責任と負担において修繕を行う。

(不適切)本肢は<当該住戸の区分所有者がその責任と負担において修繕を行う>という箇所が不適切です。

 本肢の<空き巣狙いが割った>というケースは「第三者による犯罪行為等によることが明らか」です。こうした場合について、管理規約第21条関係コメント⑥は「保存行為の実施については、通常の使用に伴わないものであるため、管理組合がその責任と負担においてこれを行うものとする」と説明しています。被害者である区分所有者が負担を強いられるわけではありません。

選択肢3. 専有部分である住戸に付属する窓ガラスを、より断熱性等に優れた複層ガラスに交換する工事は、原則として、当該住戸の区分所有者がその責任と負担において行う。

(不適切)本肢は<原則として、当該住戸の区分所有者がその責任と負担において行う>という箇所が不適切です。

 管理規約第22条第1項は、防犯、防音又は断熱等の住宅の性能の向上等に資する改良工事については「管理組合がその責任と負担において、計画修繕としてこれを実施するものとする」と定めています。本肢の<より断熱性等に優れた複層ガラスに交換する工事>も、この改良工事に該当しますから、管理組合の計画修繕の対象です。

 計画修繕の予定によっては、管理組合が改良工事を速やかに実施できない場合があり得ます。こうした場合について管理規約第22条は第2項で、理事長の事前承認を条件に「区分所有者の責任と負担において実施することができる」と例外を認めています。区分所有者は例外的に実施できる、という仕組みであって、区分所有者が<原則として>行う、という本肢は不適切です。

選択肢4. 専有部分である住戸に付属する窓ガラスが台風等で割れて当該住戸に雨が吹き込んでしまう状況となった場合、当該住戸の区分所有者自身の判断で、同様の仕様の窓ガラスに張り替えを行う。

(適切)管理規約第21条第3項は、敷地や共用部分の保存行為について区分所有者は行うことができないと原則を述べつつ、ただし書で「専有部分の使用に支障が生じている場合に、当該専有部分を所有する区分所有者が行う保存行為の実施が、緊急を要するものであるときは、この限りでない」と例外を認めています。

 例外に当たるケースとして管理規約第21条関係コメント⑧は「例えば、台風等で住戸の窓ガラスが割れた場合に、専有部分への雨の吹き込みを防ぐため、割れたものと同様の仕様の窓ガラスに張り替えるというようなケースが該当する」と補足しています。

 本肢の<窓ガラスが台風等で割れて当該住戸に雨が吹き込んでしまう状況>は「専有部分の使用に支障が生じている場合」に当たります。<同様の仕様の窓ガラスに張り替え>るのは「緊急を要する」保存行為ですから、<区分所有者自身の判断で>実施することができます。本肢は適切です。

まとめ

みんなのもの(共用部分)だけれど、日常的には自分だけが使う(専用使用部分)。窓ガラスの法的性格には二重性があります。前提として、この枠組みを頭に入れておきましょう。

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03

窓ガラスは専有部分(自分の物)であると思いがちですが、標準管理規約では共用部分であるとされています。

選択肢1. 専有部分である住戸に付属する窓ガラスを当該住戸の賃借人が割った場合には、管理組合がその責任と負担において修繕を行う。

窓ガラスの破損は通常の使用に伴うものとして、区分所有者の責任となります(標準管理規約コメント)。割った場合だけでなく、経年劣化などで破損した場合も区分所有者の責任となります。

選択肢2. 専有部分である住戸に付属する窓ガラスを空き巣狙いが割った場合には、当該住戸の区分所有者がその責任と負担において修繕を行う。

窓ガラスは共用部分です。そして、通常の使用に伴うものは区分所有者が負担します(標準管理規約コメント)。しかしながら空き巣が割った場合は通常の使用に伴うものではないので、管理組合の責任となります。

選択肢3. 専有部分である住戸に付属する窓ガラスを、より断熱性等に優れた複層ガラスに交換する工事は、原則として、当該住戸の区分所有者がその責任と負担において行う。

標準管理規約72条では、窓ガラスの改良工事は計画修繕として管理組合が実施するとあります。よって管理組合の責任となります。

選択肢4. 専有部分である住戸に付属する窓ガラスが台風等で割れて当該住戸に雨が吹き込んでしまう状況となった場合、当該住戸の区分所有者自身の判断で、同様の仕様の窓ガラスに張り替えを行う。

標準管理規約コメントでは、台風などで窓ガラスが割れるような緊急事態の時は、区分所有者が自身の判断で張替えを行うことができるとしています。正しいです。

まとめ

標準管理規約とコメントの論点はよく見ておくことが望ましいです。

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