管理業務主任者 過去問
令和7年度(2025年)
問29

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問題

管理業務主任者試験 令和7年度(2025年) 問29 (訂正依頼・報告はこちら)

ある住戸の区分所有者として管理組合に届け出られているAの住所宛てに管理費を請求したが、その請求書が届かず所在が不明であった場合において、理事会で理事長から次のアからエまでの順で説明があった。標準管理規約(単棟型)によれば、不適切なものはいくつあるか。

ア  理事長は、理事会の決議を経ずに、当該住戸の区分所有者の所在等を探索することができます。
イ  探索の結果、当該住戸の区分所有者がBに変更となっていた場合、組合員の資格は、「区分所有権取得・喪失届出書」を管理組合に提出した時点で取得するため、Bはまだ組合員ではありません。
ウ  区分所有者の所在の探索に際し当該住戸の登記事項証明書を取得しその費用を支出した場合、理事長は、Bに対し、管理費のほか、登記事項証明書の交付申請費用を請求することができます。
エ  Bによる支払がないため、理事長が管理組合を代表して訴訟を提起するには、理事会の決議が必要です。
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この過去問の解説 (3件)

01

不適切なものは、アとイの二つです。選ぶべきものは、「二つ」です。

標準管理規約(単棟型)では、区分所有者が必要な届出をしないために管理に支障がある場合、理事長は理事会の決議を経て所在等を探索できます。また、組合員の資格は、届出書を出した時点ではなく、区分所有者となった時点で取得します。国土交通省の標準管理規約でも、組合員資格は区分所有者となったときに取得するとされ、所在等の探索は理事会決議を経て行うものとされています。

選択肢2. 二つ

ア 理事長は、理事会の決議を経ずに、当該住戸の区分所有者の所在等を探索することができます。

アは不適切です。

標準管理規約では、区分所有者が必要な届出をしないことで、管理に支障が出る場合や出るおそれがある場合、理事長は区分所有者の所在等を探索できます。

ただし、その場合は理事会の決議を経る必要があります

そのため、「理事会の決議を経ずに」としている点が誤りです。

 

イ 探索の結果、当該住戸の区分所有者がBに変更となっていた場合、組合員の資格は、「区分所有権取得・喪失届出書」を管理組合に提出した時点で取得するため、Bはまだ組合員ではありません。

イは不適切です。

組合員の資格は、管理組合に届出書を出した時点で初めて発生するものではありません。

標準管理規約では、組合員の資格は、区分所有者となったときに取得し、区分所有者でなくなったときに喪失するとされています。

「区分所有権取得・喪失届出書」は、管理組合が組合員の変更を把握するための届出です。資格そのものの発生条件ではありません。

そのため、Bがすでに区分所有者になっているなら、届出書をまだ出していなくても、Bは組合員です。

 

ウ 登記事項証明書を取得し、その費用を支出した場合、理事長は、Bに対し、管理費のほか、登記事項証明書の交付申請費用を請求することができます。

ウは適切です。

区分所有者が必要な届出をしていないために、管理組合が所在等を調べる必要が生じた場合、理事長は探索に要した費用をその区分所有者に請求できます。

登記事項証明書の交付申請費用は、区分所有者を確認するための調査費用に当たります。

そのため、Bが区分所有者であり、必要な届出をしていなかったために探索が必要になった場合、理事長はBに対し、管理費のほか、登記事項証明書の交付申請費用を請求できます。

 

エ Bによる支払がないため、理事長が管理組合を代表して訴訟を提起するには、理事会の決議が必要です。

エは適切です。

管理費等が支払われない場合、管理組合は未払金を請求できます。

ただし、理事長が管理組合を代表して訴訟などの法的措置を行うには、理事会の決議が必要です。

そのため、Bが支払わない場合に、理事長が訴訟を提起するには理事会決議が必要だとするエは適切です。

まとめ

この問題では、所在等の探索、組合員資格、探索費用の請求、訴訟提起の手続を整理することが大切です。

理事長が区分所有者の所在等を探索するには、理事会の決議が必要です。そのため、アは不適切です。

組合員資格は、届出書を提出した時点ではなく、区分所有者となった時点で取得します。そのため、イは不適切です。

一方、登記事項証明書の取得費用は、所在等の探索に要した費用として請求できるため、ウは適切です。

また、未払管理費等について理事長が訴訟を提起するには、理事会の決議が必要なので、エも適切です。

したがって、不適切なものはアとイの二つであり、選ぶべきものは「二つ」です。

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02

管理組合の組合員である区分所有者が所在不明のケースについて、「標準管理規約(単棟型)」(以下、単に管理規約と略します)は、どのように対応しているかが問われています。

 

ア(不適切)本肢は<理事会の決議を経ずに>という箇所が不適切です。

 管理規約第67条の2第1項は「区分所有者が……必要な届出を行わないことにより、敷地及び共用部分等の管理に支障を及ぼし、又は及ぼすおそれがある場合には、理事長は、理事会の決議を経て、区分所有者の所在等を探索することができる」と定めています。理事長には探索の権限が認められていますが、「理事会の決議を経」る必要があります。

 本肢の状況は<区分所有者として管理組合に届け出られているAの住所>が事実と異なるために生じており、必要な届出が行われていないことが原因です。これにより、管理費の請求が滞るのは「共用部分等の管理に支障を及ぼし、又は及ぼすおそれがある場合」に当たりますから、第67条の2第1項が適用されます。

 

イ(不適切)本肢は<組合員の資格は、「区分所有権取得・喪失届出書」を管理組合に提出した時点で取得するため、Bはまだ組合員ではありません>という記述が不適切です。

 管理規約第30条は「組合員の資格は、区分所有者となったときに取得し、区分所有者でなくなったときに喪失する」と定めています。本肢の届出書は、管理組合の運営上必要な書類であり、管理規約第31条も「直ちに」届け出る義務を定めていますが、組合員資格の得喪とは関係ありません。

 

ウ(適切)管理規約第67条の2第2項は「理事長は、探索に要した費用について、違約金としての弁護士費用等を加算して、当該区分所有者に請求することができる」と定めています。本肢の<登記事項証明を取得しその費用を支出した場合>のほか、管理規約第67条の2関係コメントによると、住民票の写し等の交付申請費用や郵便代等の実費も請求可能です。

 

エ(適切)本肢の<Bによる支払がない>ケースについて、管理規約第67条の2第3項が準用する第60条第4項は「理事長は、……理事会の決議により、管理組合を代表して、訴訟その他法的措置を追行することができる」と定めています。


以上から不適切なものは二つです。

まとめ

本問は、区分所有者がAからBに変わっていた(のに届け出がなかった)というケースでした。区分所有者はAのままだけれど、探索してもAの所在が分からないというパターンもあり得ます。こうした場合に対応して、2026年4月1日施行の改正管理規約は第67条の3で「所在等不明区分所有者の総会の決議等からの除外」という規定を新設しています。

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03

標準規約の改正点からの出題と過去問を混ぜたような問題です。

選択肢2. 二つ

アは探索をする場合は理事会の決議が必要です。

イは区分所有者となったら、自動的に組合員として管理組合に参加しなければなりません。よって、届け出た時という記述が違います。

ウは探索にかかった費用は理事長が請求できます。

エは管理費の滞納の訴訟は理事会の決議でできます。

よってアとイの二つが不適切です。

 

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