管理業務主任者 過去問
令和6年度(2024年)
問35

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問題

管理業務主任者試験 令和6年度(2024年) 問35 (訂正依頼・報告はこちら)

マンションの専有部分又は共用部分の区分に関する次の記述のうち、標準管理規約(単棟型)によれば、適切なものの組合せはどれか。

ア  マンション内の雑排水管については、その管の敷設されている位置にかかわらず、一律に共用部分に分類される。
イ  住戸内の壁紙は区分所有者が自ら張り替えられるが、住戸間の界壁のコンクリート躯体部分については、区分所有者が自ら加工を施すことはできない。
ウ  住戸に接するバルコニーは共用部分に当たるが、住戸の専有部分と一体として取り扱うことが妥当であるため、接する住戸の区分所有者に専用使用権が認められる。
  • ア・イ
  • ア・ウ
  • イ・ウ
  • ア・イ・ウ

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この過去問の解説 (3件)

01

適切なものは「イ・ウ」です。

 

ア 不適切

雑排水管及び汚水管については、配管継手及び立て管)等専有部分に属さない「建物の附属物」 が共用部分となります(標準管理規約(単棟型)別表第2)。

したがって、その管の敷設されている位置にかかわらず、一律に共用部分に分類されるというのは不適切な記述です。

 

イ 適切

天井、床及び壁は、躯体部分を除く部分を専有部分とします(標準管理規約(単棟型)7条2項1号)。

したがって、住戸間の界壁のコンクリート躯体部分については共用部分ということとなり、区分所有者が自ら加工を施すことはできません。

 

ウ 適切

バルコニーは共用部分に当たります(標準管理規約(単棟型)8条、同別表第2)

しかし、区分所有者は、各住戸に接するバルコニーについて、専用使用権が認められます(標準管理規約(単棟型)14条1項、同別表第4)。

したがって、適切な記述です。

 

まとめ

本問題を通して専有部分と共用部分を区別できるようにしましょう。

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02

本問は、建物及び附属施設の専有部分と共有部分の区別に関する標準管理規約の定めについての知識を問う問題です。
どこまでが専有部分でどこからが共用部分かは、実務的にも重要な部分ですので必須知識として憶えておく必要があります。

 

大雑把に言えば、

住戸の開口部の外は共用部分
住戸の外壁(外に接する壁)と界壁(外に接しないで隣の住戸とを区切る壁)は、壁の内側までが占有部分で壁本体は共用部分
内壁(住戸内部に存在する壁)の内で躯体の一部で建物の構造となっている耐力壁(仕切壁を兼ねる)は共用部分、構造となっていない単に居室を区切るだけの純粋な仕切壁は専有部分
開口部の付属物については、サッシ(窓枠)及び窓ガラスは共用部分、玄関ドア等は内側表面の塗装と錠部分のみが専有部分
です。

 

附属施設では、給排水管、ガス管などが問題になります。
給水管とガス管はメーターまでが共用部分で、排水管は、排水立管に繋がる継手の手前まで(継ぎ手は立管の一部になっています)が専有部分というのが一般的です。
ただし、判例により、各住戸から他の住戸に立ち入らずにメンテナンスすることが不可能な排水管等は共用部分になることは憶えておくべきです。

 

最判平成12年3月21日(裁判例結果詳細 | 最高裁判所)判決要旨
「マンションの専有部分である甲室の床下コンクリートスラブと階下にある乙室の天井板との間の空間に配された排水管の枝管を通じて甲室の汚水が本管に流される構造となっている場合において、甲室から右枝管の点検、修理を行うことは不可能であり、乙室からその天井裏に入ってこれを実施するほか方法はないなど判示の事実関係の下においては、右枝管は、建物の区分所有等に関する法律2条4項にいう「専有部分に属しない建物の付属物」であり、区分所有者全員の共有部分に当たる。」



ところで本問には関係がありませんが、標準管理規約は令和7年10月17日に改訂されています。
令和8年度の試験からはこの改訂版に準拠した問題が出ます。
改訂による変更は試験ではよく狙われるところです。
改訂してすぐに出るかは微妙ですが、遅くとも2,3年の内には出ると思っておいた方がいいです。

標準管理規約は、国交省のウェブサイトにリンクがあります。
住宅:マンション標準管理規約 - 国土交通省

令和7年の最新版と令和7年改正新旧対照表をチェックしておきましょう。

 

 

アは「適切なもの」ではありません。

 

雑排水管は、一般的には排水立て管に接続する部分までは専有部分になります。

 

標準管理規約第8条「対象物件のうち共用部分の範囲は、別表第2に掲げるとおりとする。」

 

標準管理規約(単棟型)別表第2 共用部分の範囲 2
「エレベーター設備、電気設備、給水設備、排水設備、消防・防災設備、インターネット通信設備、テレビ共同受信設備、オートロック設備、宅配ボックス、避雷設備、集合郵便受箱、各種の配線配管(給水管については、本管から各住戸メーターを含む部分、雑排水管及び汚水管については、配管継手及び立て管)等専有部分に属さない「建物の附属物」」


なお前述の最判には要注意です。

 


イは「適切なもの」です。

 

壁紙は壁の表面に貼ってあるだけで壁そのものではなくこれは専有部分になります。
しかし、建物の躯体の一部である壁本体(一般的なRC造ならばコンクリートです)は共用部分です。
 

なお、躯体とは独立した住戸内の居室を仕切るためだけの壁は専有部分になります。

躯体と独立した純粋な仕切壁は構造ではなく耐力壁ではありません。

この壁はあってもなくても躯体の強度等に影響を与えないので場合によっては撤去することすら可能です。
キッチン周りの防煙垂れ壁などは構造ではないことが多く、リノベーションでガスコンロをIHに代えたりした場合に、不要になって撤去するということもあり得ます。

 

標準管理規約(単棟型)第7条第2項「前項の専有部分を他から区分する構造物の帰属については、次のとおり とする。

一 天井、床及び壁は、躯体部分を除く部分を専有部分とする。

(第2号以下略)

」

 

標準管理規約(単棟型)別表第2 共用部分の範囲 1
「エントランスホール、廊下、階段、エレベーターホール、エレベーター室、共用トイレ、屋上、屋根、塔屋、ポンプ室、自家用電気室、機械室、受水槽室、高置水槽室、パイプスペース、メーターボックス(給湯器ボイラー等の設備を除く。)、内外壁、界壁、床スラブ、床、天井、柱、基礎部分、バルコニー等専有部分に属さない「建物の部分」」

 

仕切壁は「内壁」の一種であり、躯体の一部として建物の構造となっている耐力壁であれば共用部分ですが、躯体から独立した単なる間仕切壁であれば専有部分となります。

 


ウは「適切なもの」です。

 

住戸の開口部の外側の建物の部分(附属施設は除くという趣旨)はすべて共用部分です。
バルコニーも開口部の外側にある建物の部分ですから共用部分です。
2階以上であれば避難経路としても使用される部分であり、専有部分にするのは適切ではありません。

 

もっとも、いわゆるサービスバルコニーのように、避難経路として使用されることは通常はなく、単なる室外機等の置場に過ぎないものもありますが、これも共用部分です。

 

標準管理規約(単棟型)別表第2 共用部分の範囲 1
エントランスホール、廊下、階段、エレベーターホール、エレベーター室、共用トイレ、屋上、屋根、塔屋、ポンプ室、自家用電気室、機械室、受水槽室、高置水槽室、パイプスペース、メーターボックス(給湯器ボイラー等の設備を除く。)、内外壁、界壁、床スラブ、床、天井、柱、基礎部分、バルコニー等専有部分に属さない「建物の部分」」

 

とは言え、バルコニー等は専有部分の開口部に接続し、通常は専有部分の利用に供する目的で設置されているので、専有部分と一体として扱うのが妥当です。
そこで、共用部分ではあっても専用使用権を設定して、通常の使用については、接続する専有部分の区分所有者に独占的な使用を認めています。

 

標準管理規約(単棟型)第14条第1項「区分所有者は、別表第4に掲げるバルコニー、玄関扉、窓枠、窓ガラス、一階に面する庭及び屋上テラス(以下この条、第21条第1項及び別表第4において「バルコニー等」という。)について、同表に掲げるとおり、専用使用権を有することを承認する。」

 

同コメント第14条関係「①バルコニー等については、専有部分と一体として取り扱うのが妥当であるため、専用使用権について定めたものである。 
②専用使用権は、その対象が敷地又は共用部分等の一部であることから、それぞれの通常の用法に従って使用すべきこと、管理のために必要がある範囲内において、他の者の立入りを受けることがある等の制限を伴うものである。また、工作物設置の禁止、外観変更の禁止等は使用細則で物件ごとに言及するものとする。
(③略)
」

 

 

なお余談ですが、専用使用部分というのは、実務的には結構問題のあるところで、特に管理委託契約において日常清掃の範囲か否かというところが微妙だったりします。

共用部分なので管理対象なのは間違いないのですが、管理委託契約あるいはその前提となる管理規約が不明確だったりして清掃範囲かどうかがはっきりしないことがよくあります。

また、範囲外であっても事実上、清掃しているようなこともよくあります(本当は契約範囲外の業務を行うのはよろしくないのですが)。

 


以上、「適切なもの」はイウです。

選択肢1. ア・イ

アは「適切なもの」ではありません。

イは「適切なもの」です。

 

よってこの肢は正しくありません。

選択肢2. ア・ウ

アは「適切なもの」ではありません。

ウは「適切なもの」です。

 

よってこの肢は正しくありません。

選択肢3. イ・ウ

イウともに「適切なもの」です。

 

よってこの肢が正解です。

選択肢4. ア・イ・ウ

アは「適切なもの」ではありません。

イは「適切なもの」です。

ウは「適切なもの」です。

 

よってこの肢は正しくありません。

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03

適切な選択肢は【イ・ウ】です。

マンションの専有部分又は共用部分の区分に関する問題です。

 

ア:不適切

雑排水管及び汚水管については、

配管継手及び立て管は専有部分に属さない「建物の附属物」です。

(標規単 別表第2)

一律に共用部分に分類されるとなってるため誤りです。

 

 

イ:適切

天井、床及び壁は、躯体部分を除く部分を専有部分とします。

(標規単 7条2項1)

住戸間の界壁のコンクリート躯体部分については、専有部分ではないため

区分所有者が自ら加工を施すことはできません。

 

 

ウ:適切

バルコニーは専有部分に属さない「建物の部分」です。(標規単8条・別表第2)

各住戸に接するバルコニーは専用使用権を有することが認められてます。

(標規単14条1項・別表第4)

選択肢3. イ・ウ

正解です。

まとめ

標準管理規約(単棟型)からの出題です。

共用部分にあたるのか、専有部分にあたるのかを理解しましょう。

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