管理業務主任者 過去問
令和6年度(2024年)
問27

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問題

管理業務主任者試験 令和6年度(2024年) 問27 (訂正依頼・報告はこちら)

マンションの共用部分に関する次の記述のうち、区分所有法によれば、不適切なものはいくつあるか。
ただし、規約に別段の定めはないものとする。

ア  マンションの専有部分を集会室とするために、規約でこれを共用部分とすることができる。
イ  一部共用部分の管理は、区分所有者全員の利害に関係するものであっても、これを共用すべき区分所有者のみで行う。
ウ  管理者が選任されている場合、共用部分の保存行為は、管理者を通じて行わなければならない。
エ  共用部分につき損害保険契約をすることは、共用部分の管理に関する事項とみなされる。
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この過去問の解説 (3件)

01

不適切なものは「イ・ウ」二つです。

 

ア 適切

建物の専有部分及び付属の建物は、規約により共用部分とすることができます(区分所有法4条2項)。

したがって、マンションの専有部分を集会室とするために、規約で共用部分とすることができるため、正しい記述です。

 

イ 不適切

一部共用部分の管理のうち、区分所有者全員の利害に関係するものは区分所有者全員で行います(区分所有法16条)。

したがって、これを共用すべき区分所有者のみで行うという記述は不適切です。

 

ウ 不適切

保存行為は、各共有者がすることができます(区分所有法18条1項)。

したがって、共用部分の保存行為は管理者を通じて行わなければならないという記述は不適切です。

 

エ 適切

共用部分につき損害保険契約をすることは、共用部分の管理に関する事項とみなされます(区分所有法18条4項)。

したがって、本選択肢は正しい記述です。

まとめ

マンションの共用部分に関する知識を本問題を通して整理しましょう。

単独で行うことができる行為、全員で行わなくてはいけない行為を比較して覚えましょう。

参考になった数21

02

適切な選択肢は【二つ】です。(イ・ウ)

マンションの共用部分に関する個数問題です。

 

適切

建物の専有部分及び附属の建物は、規約により共用部分とすることができます。

(区4条2項)

 

 

適切

一部共用部分の管理のうち、区分所有者全員の利害に関係するものは

区分所有者全員で行います。(区16条)

共用すべき区分所有者のみで行うとなっているため誤りです。

 

 

適切

保存行為は、各共有者がすることができます。(区18条1項)

管理者を通じて行わなければならないとなっているため誤りです。

 

 

適切

共用部分につき損害保険契約をすることは、

共用部分の管理に関する事項とみなされます。(区18条4項)

 

選択肢2. 二つ

正解です。

まとめ

共用部分に関する規定を一度整理しておきましょう。

参考になった数3

03

本問は共用部分について、建物の区分所有等に関する法律(以下、区分所有法)の基本的な知識を問う問題です。
個数問題なのですべてを正確に判断できないと正解できないので、一つおぼつかない肢があるだけで正解が遠のくといういやらしい出題ではあります。
おそらく、本試験でも一つ迷った受験生がそれなりにいるのではないでしょうか。


ところで本問には直接関係がありませんが、区分所有法は、2026年(令和8年)4月1日に改正法が施行されます
管理業務主任者試験で出題されるのは実施年度の4月1日時点の施行法令等ですから、当然令和8年度試験からは改正法が出題されます
資格試験では、施行直後の改正に係る部分はすぐには出題されないことも多いのですが、絶対に出ないという保証はありません。
どこがどう改正されたかくらいは確認しておいた方が良いでしょう。


法務省のウェブサイトに新旧対照表へのリンクがありますから目を通しておきましょう。

法務省:老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律について

ただし縦書きですので横書きに慣れた目にはあまり読みやすくはありません。

 

 

アは「不適切なもの」ではありません。

 

専有部分は規約により共用部分(規約共用部分と言います)とすることができます。
規約共用部分を設けるためには目的が何であるかは問いません。
実際のところ「集会室」と呼ばれる部屋がある物件はよくありますが、これはたいていの場合、専有部分を規約で共用部分としたものです。

 

区分所有法第4条第2項「第1条に規定する建物の部分及び附属の建物は、規約により共用部分とすることができる。この場合には、その旨の登記をしなければ、これをもつて第三者に対抗することができない。」

 

同法第1条「一棟の建物に構造上区分された数個の部分で独立して住居、店舗、事務所又は倉庫その他建物としての用途に供することができるものがあるときは、その各部分は、この法律の定めるところにより、それぞれ所有権の目的とすることができる。」

 

同法第2条第3項「この法律において「専有部分」とは、区分所有権の目的たる建物の部分をいう。」

 

第4条第2項前段により「共用部分とすることができる」第1条の「所有権の目的とすることができる」「各部分」を第2条第3項で「専有部分」と定義しています

なお、規約共用部分は登記が対抗要件である(第4条第2項後段)こともついでに憶えておきましょう。

 


イは「不適切なもの」です。

 

区分所有法では一部共用部分について、
①区分所有者全員の利害に関係するもの
②規約で定めたもの
は当該一部共用部分を共用する区分所有者のみならず、全員で管理を行います。
 

区分所有法第16条「一部共用部分の管理のうち、区分所有者全員の利害に関係するもの又は第31条第2項の規約に定めがあるものは区分所有者全員で、その他のものはこれを共用すべき区分所有者のみで行う。」

 

全員の利害が絡んでいるのですから全員で管理するのが妥当なのは当然でしょう。


 

ウは「不適切なもの」です。

 

共用部分の保存行為は、区分所有法の原則では各共有者がすることができます。
 

区分所有法第18条第1項「共用部分の管理に関する事項は、前条の場合を除いて、集会の決議で決する。ただし、保存行為は、各共有者がすることができる。」

 

ただし書きが保存行為についての原則になります。
管理者がいるかどうかは関係がありません。

 


もっとも、実務的にはそれを認めると秩序だった管理ができなくなるおそれがあります。
そこで実際には標準管理規約において管理組合が管理することになっています。各区分所有者は、緊急の場合を除いて、理事長に申請して理事会の承認を得なければ保存行為を行うことはできません。

ただし、専用使用権のある部分については、通常の使用に伴う保存行為は、専用使用権者が行うことができます。

 

区分所有法第18条第2項「前項の規定は、規約で別段の定めをすることを妨げない。」

 

標準管理規約(単棟型)第21条(電磁的方法が利用可能ではない場合)
「敷地及び共用部分等の管理については、管理組合がその責任と負担においてこれを行うものとする。ただし、バルコニー等の保存行為(区分所有法第18条第1項ただし書の「保存行為」をいう。以下同じ。)のうち、通常の使用に伴うものについては、専用使用権を有する者がその責任と負担においてこれを行わなければならない。 
(第2項略)
3 区分所有者は、第1項ただし書の場合又はあらかじめ理事長に申請して書面による承認を受けた場合を除き、敷地及び共用部分等の保存行為を行うことができない。ただし、専有部分の使用に支障が生じている場合に、当該専有部分を所有する区分所有者が行う保存行為の実施が、緊急を要するものであるときは、この限りでない。」


 

エは「不適切なもの」ではありません。

 

「管理」と言うと通常は清掃、修繕、改修など物理的な措置を意味します。
保険契約の締結という事務は少々毛色が違います。
そこで、保険契約の締結は本来は管理とは言えない(又は言えるかどうか微妙)だが管理に関する事項と「みなす(*)」ことにしています。

 

令和8年4月1日施行改正区分所有法第18条第6項「共有部分につき損害保険契約を締結することは、共用部分の管理に関する事項とみなす。」

 

※項が間に追加になったために第4項から第6項に変わっています。

 

(*)「みなす」のですから、「それは違う」と文句を言うことは法律上は認めないということになります。
反論を許さないこれを法律上の擬制と言います。


 

以上、「不適切なもの」はイウの二つです。

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