管理業務主任者 過去問
令和6年度(2024年)
問18
問題文
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問題
管理業務主任者試験 令和6年度(2024年) 問18 (訂正依頼・報告はこちら)
- コンクリートの乾燥収縮による幅0.3mm程度の挙動のあるひび割れ先行型劣化の補修に、Uカットシール材充填(じゅうてん)工法を選定した。
- コンクリートのコールドジョイントによる幅0.2mm未満の、挙動のないひび割れ先行型劣化の補修に、シール工法を選定した。
- 中性化により発生した、鉄筋の腐食に伴うコンクリートの浮きに対し、断面修復による工法を選定した。
- 塩害によりコンクリートが浮きかかって生じたひび割れに対し、樹脂注入工法を選定した。
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この過去問の解説 (3件)
01
鉄筋コンクリート造のマンションのコンクリート壁の劣化の補修に関する問題です。
各ケースにおいて適切な工法を選べるかどうかが重要です。
適切
ひび割れ幅0.2mm以上1.0mm以下の挙動のあるひび割れに対しては、Uカットシール材充填工法を選定します。
したがって、0.3mm程度のひび割れに対してUカットシール材充填工法を選定するのは適切です。
適切
ひび割れ幅0.2mm未満の、挙動のないひび割れに対しては、シール工法を選定します。
したがって、本選択肢の工法の選定は適切です。
適切
中性化が進行したことにより発生した鉄筋の腐食に伴うコンクリートの浮きに対しては、断面修復材を用いて断面欠損部分を修復します。
これを断面修復工法と呼び、本選択肢の工法の選定は適切です。
不適切
樹脂注入工法とは、ひび割れに対して、樹脂を注入して補修する工法のことです。
塩害に対しては、このひび割れの補修工法である樹脂注入工法は選択されません。
本問題を通して、各ケース別の適切な工法を理解するようにしましょう。
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02
鉄筋コンクリート造のマンションのコンクリート壁の劣化の補修に関する問題です。
適切
幅0.2mm以上1.0mm以下の挙動のあるひび割れの補修は、
Uカットシール材充填工法を施します。
適切
幅0.2mm未満の、挙動のないひび割れの補修は、
シール工法を施します。
適切
中性化により発生した、鉄筋の腐食に伴うコンクリートの浮きの補修は、
断面修復による工法を施します。
不適切
塩害によりコンクリートが浮きかかって生じたひび割れの補修は、
表面被覆工法、表面含浸工法、断面修復工法を
それぞれ単独で、または組み合わせて施します。
樹脂注入工法は挙げられていないため誤りです。
コンクリートの補修方法についてのパターンを理解しましょう。
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03
本問は、コンクリートのひび割れその他の劣化に対する補修方法に関する知識を問う問題です。完全な知識問題で知らなければ解けませんが、この機会に憶えておきましょう。
I.コンクリートの代表的な劣化がひび割れです。
鉄筋コンクリート(RC)は基本的に鉄筋が引張力に抵抗するようになっているのでひびによるコンクリートの引張強度の低下はRCの強度低下には直結しません。また、ひび割れが起こること自体は完全に防ぐことはできません。
ですから、ひび割れができたから直ちに問題が起こるというわけではありません。
しかし、ひびから浸水すれば鉄筋が錆びることにつながりますし、ひびがあるということは、そこから空気、水が浸入しやすくなり、建物の気密性、水密性が低下することにつながります。
また、美観的にも良くありません。
そこで、ひび割れは放置せずに、状況に応じた適切な補修をする必要があります。
コンクリートのひび割れの補修は、ひびの幅とひび割れ部分の挙動に応じて工法と資材を使い分けます。
主な工法としては、
①被覆(シール)工法
②注入工法
③充填工法
があります。
①被覆(シール)工法は簡単に言えば、ひび割れの表面を覆って空気、水等(劣化因子と言います)の侵入を防ぐ補修です。ひび割れの幅が0.2㎜未満と小さい場合に採用します。
簡単に言えば単に蓋をするだけということです。
ひび割れ部分に挙動がなければ、補修材に可撓性(「撓」とは曲げるという意味で、可撓は曲げられるという意味です。つまり、可撓性とは、概ね柔軟性と同義です)は必要ありませんから、可撓性の少ないポリマーセメントペースト、アクリル樹脂、エポキシ樹脂などを使います。
挙動があれば可撓性エポキシ樹脂などを使います。
なお、ポリマーセメントペーストとはセメントペースト(セメントと水を混ぜたもの)のセメントの5~20%程度をポリマーである樹脂に置き換えたものです。
セメントペーストがモルタル(セメントペーストに細骨材を混ぜたもの。更に粗骨材を混ぜるとコンクリートになります)になれば、ポリマーセメントモルタルです。
②注入工法とは簡単に言えば、ひび割れに樹脂などの補修材を圧力をかけて押し込んで補修する工法です。ひび割れの幅が0.2~1.0㎜の場合に採用します。もっとも、1.0㎜を超えていても挙動がなければ採用することはあります。
注入工法では自動低圧注入器などを使って注入時の加圧を低圧にしてゆっくりと注入する低速低圧注入が一般的です。
高速で高圧を掛けるとひびが拡大する恐れがあり、またひびの隅々まで注入材が届かない場合があります。
注入材としては、挙動により、エポキシ樹脂、可撓性エポキシ樹脂などを使い分けます。
③充填工法は簡単に言えば、ひび割れに沿って表面をU字型又はV字型に削り、そこにシール材を充てんした後、最外部をポリマーセメントモルタルや樹脂モルタル(モルタルのセメントと水をすべて樹脂に置き換えたものです)などで覆う工法です。
ひび割れの幅が1.0㎜以上と大きい場合に採用しますが、0.2~1.0㎜であっても挙動が大きい場合にも採用することがあります。
挙動が小さければ充填材としてポリマーセメントモルタルなどが使用できますが、挙動が大きい場合には、シーリング材、可撓性エポキシ樹脂等を使います。
大雑把に言えば、注入と充填の違いは奥まできっちり埋めるかどうかの違いです。つまり、ひびの奥までしっかり補修材を入れて構造物を一体化するのが注入工法で、ひびの幅の大きい部分(ひび割れに沿って削った部分)だけで奥の細い部分までは埋めないのが充填だと思えばいいでしょう。
II.ひび割れ以外にも劣化は色々あります。
鉄筋が酸化、つまり錆びると鉄筋が膨張して太くなり、その膨張圧力に耐えられずにコンクリートが割れて浮いたり剥落したりすることがあります(鉄筋爆裂と言います)。
この場合、劣化したコンクリート部分を除去(「はつり」と言います。剥がすように削っていくことを「はつる」と言います)し、欠落部分を修復するために補修材を塗布、充填する断面修復を行います。
なお、鉄筋の劣化状態によっては鉄筋を補強する必要もあり得ます。
この鉄筋の発錆原因としてよくあるのがコンクリートの中性化と塩害です。
コンクリートは強アルカリですが、外気の二酸化炭素により中和されて徐々にアルカリ度が下がってきます。
これが中性化ですがそれが進行して鉄筋にまで達すると、鉄筋がさびやすくなります。
また、海岸付近では風により運ばれた海水中の塩化ナトリウム、積雪地では融雪剤として使用された塩化カルシウムなどが由来の塩化物イオンがひび割れから浸入することで鉄筋が発錆することがあります(塩害と言います)。
いずれにしてもコンクリートが劣化し、場合によっては鉄筋が腐食しているので被りコンクリートをはつって除去し、補修材による修復を施す必要があります。
原因が違っても結果が同じなので対処法も同じです。
「最も不適切なもの」ではありません。
ひびの幅が0.3㎜とそれほど大きくない(どちらかと言えば小さい方)なので注入工法がまず選択肢になりますが、挙動があるので充填工法も選択肢になります。
「最も不適切なもの」ではありません。
コールドジョイントとは、複数回に分けて打設したコンクリートが施工不良などで一体とならずに固まった状態を言います。
この部分がひび割れの原因になります。
本肢ではひびの幅が0.2㎜と小さいので悪影響はほとんどなく、シール工法による補修は妥当です。
挙動の有無はシール材の種類を変えることで対応できますから、それほど気にしなくても構いません。
「最も不適切なもの」ではありません。
コンクリートが中性化して発錆したことで鉄筋爆裂が起こっているのであれば、断面修復工法を採るのは通常の選択です。
「最も不適切なもの」です。よってこの肢が正解です。
原因が塩害であるならば内部の鉄筋が発錆していると思われます。
その状況で、注入工法で単にひびを埋めるだけで、内部に浸透した塩化物を除去して鉄筋を修復しないのはあり得ないと判ると思います。
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