管理業務主任者 過去問
令和6年度(2024年)
問9
問題文
ア 消費税法上、消費税の納税義務者は事業者とされ、法人格を有しない管理組合及び管理組合法人も納税義務者となる。
イ 消費税法上、管理組合が、組合員との駐車場使用契約に基づき収受した使用料は、不課税取引として課税対象とはならない。
ウ 消費税法上、管理組合の収入のうち、修繕積立金に係る預金から生じた受取利息は、課税取引として課税対象となる。
エ 法人税法上、管理組合法人が、その共用部分を看板設置のために事業者に賃貸することは、収益事業に該当する。
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問題
管理業務主任者試験 令和6年度(2024年) 問9 (訂正依頼・報告はこちら)
ア 消費税法上、消費税の納税義務者は事業者とされ、法人格を有しない管理組合及び管理組合法人も納税義務者となる。
イ 消費税法上、管理組合が、組合員との駐車場使用契約に基づき収受した使用料は、不課税取引として課税対象とはならない。
ウ 消費税法上、管理組合の収入のうち、修繕積立金に係る預金から生じた受取利息は、課税取引として課税対象となる。
エ 法人税法上、管理組合法人が、その共用部分を看板設置のために事業者に賃貸することは、収益事業に該当する。
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この過去問の解説 (3件)
01
不適切なものは「ウ」の一つです。
ア 適切
消費税法上、消費税の納税義務者は事業者とされます(消費税法5条1項)。
ここでいう事業者とは、個人事業者及び法人のことをいいます(消費税法2条1項4号)
また、人格のない社団等は法人とみなします(消費税法3条)。
したがって、法人格を有しない管理組合及び管理組合法人も事業者とされるため、納税義務者となります。
イ 適切
消費税法上、管理組合が、組合員に対して駐車場を貸付けた場合の使用料は不課税取引となり、課税対象とはなりません(国税庁質疑応答事例消費税「マンション管理組合の課税関係」参照)。
ウ 不適切
消費税法上、利子は非課税とされており、修繕積立金に係る預金から生じた受取利息は非課税取引となり、課税対象とはなりません。
エ 適切
法人税法上、管理組合法人が、その共用部分を看板設置のために事業者に賃貸することは不動産貸付業に該当します。
そして、不動産貸付業は収益事業の範囲に該当します(法人税法施行令第5条1項5号)。
したがって、管理組合法人が、その共用部分を看板設置のために事業者に賃貸することは、収益事業に該当します。
消費税法、法人税法からの出題です。課税対象なのか、非課税対象なのかを区別できるようにしましょう。
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02
不適切な選択肢は【一つ】(ウ)です。
管理組合の活動に係る税務の取扱いに関する個数問題です。
ア:適切
消費税法上、消費税の納税義務者は事業者とされており(消税5条)
事業者とは、個人事業者及び法人をいいます。(消税2条1項4)
人格のない社団等は、法人とみなされます。(消税3条)
したがって、法人格を有しない管理組合及び管理組合法人も納税義務者となります。
イ:適切
管理組合は、その居住者である区分所有者を構成員とする組合であり、
その組合員との間で行う取引は営業に該当しません。
管理組合が、組合員との駐車場使用契約に基づき収受した使用料は不課税となります。
(国税庁質疑応答事例消費税「マンション管理組合の課税関係」参照)。
ウ:不適切
消費税法上、利子を対価とする貸付金は非課税です。(消税6条別表第第2三)
したがって、修繕積立金に係る預金から生じた受取利息は、非課税になります。
課税対象となる。となっているため誤りです。
エ:適切
法人税法上、用部分を看板設置のために事業者に賃貸することは、
不動産貸付業は収益事業に該当します。(法税令5条1項5)
正解です。
個数問題なので1肢ごとにしっかり正解できるようにしましょう。
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03
本問は、管理組合の税務に関する基礎的な知識を問う問題です。
個数問題なので全部の肢の正誤を判定する必要があります。
管理業務主任者試験では税法は出題の重要度はそれほど高くありませんが、基本的なところくらいは教養として憶えておいてもいいと思います。
大雑把に、マンション管理で特に問題になる税金は、法人税(広義)と消費税です。
I.広義の法人税には、
国税=法人税(狭義)及び地方法人税
地方税=法人住民税及び法人事業税
があります。
法人税法上、法人ではないマンション管理組合(税法上は、人格のない社団と言います)も法人税法第3条により法人とみなされます。
その結果、法人税の納税義務を負うことがあります。
管理組合法人の場合は、法人ですから当然に法人税の納税義務を負います。
管理組合法人は区分所有法第47条第13項により公益法人とみなされます。
管理組合法人と法人でない管理組合の納税義務はほぼ同じですが、一つ例外があります。
収益事業を行っていない場合、当然のことながらいずれも所得に対する課税は生じません。
しかし、収益事業を行っていない管理組合法人であっても法人住民税(均等割)は課税されます。
法人住民税(均等割)は歴史的な言葉で言うなら人頭税であり、基本的には存在しているだけで課税されます(個人の場合には、所得によって非課税となることはあります)。
一方、収益事業を行っていない人格のない社団である管理組合については、法人住民税(均等割)は非課税になります。
公益法人と人格のない社団はいずれも収益事業のみ(厳密には他にもあります)が課税対象となります。
区分所有者のための事業はその性質上、営利を目的としていないので収益事業とは言えず、課税対象ではありません(不課税と言います)。
収益事業かどうかが問題になる代表的な事例としては、駐車場の使用料があります。
駐車場の使用料は、区分所有者だけに対する賃貸であれば、収益を目的とした事業ではないので法人税は不課税です。
しかし、区分所有者以外(専有部分を区分所有者から賃借している賃借人も含みます)に対しても賃貸している場合には、話が変わります。
大雑把に言えば以下の通りです。
①まず、区分所有者に優先的に賃貸し、余ったところを非居住の第三者に貸している場合、区分所有者に対する賃貸は非収益事業、第三者に対する賃貸は収益事業となります。
②次に、区分所有者と非居住の第三者とを区別せずに同様に扱っている場合、すべての賃貸が収益事業となります。
③最後に、専有部分の賃借人が区分所有者と同様に扱われていてその賃貸が非収益事業となるか、非居住の第三者と同様に扱われていてその賃貸が収益事業となるかは、個別の判断によります。
一般論としては、区分所有者と同じ扱いにしている(区分所有者を優先して余ったら賃借人に貸す程度の差はあります)ことが多いと思います(典型的には、区分所有者が転出して非居住になると賃貸借契約が終了するのと同様に、賃借人も転出すれば賃貸借契約は終了する等)。
その場合は通常は非収益事業となりますが、最終的には個別事例での判断になります。
実例による判断なので、試験では出ないと思いますが、頭の隅にはおいておいていいと思います。
なお、余談ですが、駐車場の空き区画を来客の一時使用目的で短期的に有料で貸し出している物件はよくあります。
これは、非収益事業として課税対象外です。
空き区画であっても維持管理の費用は掛かるのでその"足し"にする、すなわち、区分所有者の共有物である駐車場の維持管理のための事業であり、非収益事業であると捉えればいいと思います。
ちなみに、都市部では、屋上に携帯電話の基地局を設置したりしていることがあります。
広告看板を設置している所などもあります。
これらは不動産貸付業であり、対価は収益事業として法人税が課税されます。
II.消費税は、大雑把に言うと国内取引に対する課税です。
管理組合会計でまず問題になるのは、課税対象となる取引に該当するのは何かです。
①不課税取引
不課税取引とは、その性質上、そもそも消費税が課税される取引には該当しないものを言います。
収入では、管理費、修繕積立金、専用使用部分(駐車場、専用庭等)の使用料は不課税取引として課税対象外です。
これは、そもそも何らかの便益の対価としての性質がないためです。
取引きではなく、共同の利益のための共益金みたいなものです。
他に、大規模修繕のための借入金の元本も不課税です。
支出では、管理組合が雇っている人に対する給与は不課税です
(給与を受け取る人に対して所得税は課税されます)。
②非課税取引
非課税取引は、本来的には課税対象であるが、政策的な理由により課税対象とならないものを言います。
収入では、預貯金の受取り利息などは、消費税は非課税です
(もっとも分離課税で所得税が課税されます)。
支出では、大規模修繕のための借入金の支払利息も非課税です
同じく支出として、損害保険料も非課税取引です
③課税取引
収入として、区分所有者等以外の第三者に対する駐車場の賃貸に係る賃料は消費税が課税されます。
その他、一般的な取引きには当然消費税が課税されます。
例えば、支出として管理業者に支払う管理委託報酬、共用部分についての水道光熱費、金融機関に対する振込手数料など、個人でも一般に消費税を負担している取引です。
次に、管理組合が納税義務者になるかどうかという問題があります。
これは絶対に憶えておかないといけません。
まず原則論として、管理組合は法人格の有無にかかわらず消費税の納税義務者になると思ってください(細かい話はあります)。
しかし、課税売上高の規模によっては納税義務者にならない場合があります。
基準期間である前々会計年度の課税売上高が1000万円を超えると消費税の納税義務者になります。
基準期間が前々年度なのは、当年はもちろんのこと、前年の決算はまだ終わっていない可能性があるからです。
決算が確定しなければ課税売上高がいくらかも確定しません。
それでは基準になりません。
前々年度であれば既に決算は終わっており、課税売上高も確定しているのでこれを基準期間として消費税の納税義務の判断をします。
アは「不適切なもの」ではありません。
人格のない社団であるマンション管理組合とマンション管理組合法人のいずれも消費税の納税義務者となり得ます。
消費税の納税義務者は「事業者」であり、事業者には「法人」が含まれます。
消費税法第2条第1項第4号「事業者 個人事業者及び法人をいう。」
管理組合法人は文字通り法人ですから事業者に当たります。
そして、人格のない社団等であるマンション管理組合も消費税法上は法人とみなされます。
消費税法第3条「人格のない社団等は、法人とみなして、この法律(第12条の2及び第46条の2並びに別表第3を除く。)の規定を適用する。」
結局、法人格の有無にかかわらず、マンション管理組合は事業者であり、消費税の納税義務者となることになります。
イは「不適切なもの」ではありません。
管理組合が区分所有者に対して駐車場を賃貸し、使用料を徴収した場合、その使用料は、消費税の課税されない不課税取引です。
マンション管理組合の課税関係|国税庁
「駐車場の貸付け………組合員である区分所有者に対する貸付けに係るものは不課税となります」
ウは「不適切なもの」です。
預金利息に対しては消費税は非課税です。
消費税法別表第2第第3号「利子を対価とする貸付金その他の政令で定める資産の貸付け(以下略)」
ちょっとわかりにくいかも知れませんが、「利子を対価とする貸付金の貸付」とは、要するに金を貸して利息をもらうという金銭消費貸借契約のことです。
金銭消費貸借契約は「資産の貸付け」の一種であり本来ならば消費税の課税対象になるのですが、消費税法上、非課税となっています。
金銭消費貸借全体が非課税なのですからその一部の対価としての利子の受け渡しも当然非課税です。
もっとも、所得になるので所得税税が課税されます(余談ですが、この所得税は法人税の税額控除の対象になり得ます)。
エは「不適切なもの」ではありません。
管理組合が看板設置のために有償で共用部分(例えば建物の外壁、屋上など)を貸し出す行為は、不動産貸付業として法人税の課税対象である収益事業に該当します。
以上、「不適切なもの」はウ一つです。
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