管理業務主任者 過去問
令和5年度(2023年)
問48

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問題

管理業務主任者試験 令和5年度(2023年) 問48 (訂正依頼・報告はこちら)

マンション管理業者が行うマンション管理適正化法第72条の規定に基づく重要事項の説明等に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法によれば、適切なものはいくつあるか。

ア  マンション管理業者は、管理受託契約を締結しようとするときは、その契約締結日の1週間前までに、説明会を開催し、管理組合を構成するマンションの区分所有者等及び当該管理組合の管理者等に対し、管理業務主任者をして、重要事項について説明をさせなければならない。
イ  マンション管理業者は、従前の管理受託契約と同一の条件で管理組合との管理受託契約を更新しようとするときは、あらかじめ、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等全員に対し、重要事項を記載した書面を交付しなければならない。
ウ  マンション管理業者が、重要事項を記載した書面の交付に代えて、当該書面に記載すべき事項を電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法により提供する場合において、管理組合を構成するマンションの区分所有者等又は当該管理組合の管理者等の承諾を得る必要はない。
エ  管理業務主任者は、重要事項の説明をするときは、相手方からの請求の有無にかかわらず、管理業務主任者証を提示しなければならない。
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この過去問の解説 (2件)

01

適切なものは「イ・エ」二つです。

 

ア 不適切

マンション管理業者は、管理受託契約を締結しようとするときは、あらかじめ、説明会の日の1週間前までに、重要事項並びに説明会の日時及び場所を記載した書面を交付したうえで説明会を開催し、管理組合を構成するマンションの区分所有者等及び当該管理組合の管理者等に対し、管理業務主任者をして、重要事項について説明をさせなければなりません(マンション管理適正化法72条1項)。

したがって、契約締結日の1週間前までに説明会を開催させるわけではありません。

 

イ 適切

マンション管理業者は、従前の管理受託契約と同一の条件で管理組合との管理受託契約を更新しようとするときは、あらかじめ、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等全員に対し、重要事項を記載した書面を交付しなければなりません(マンション管理適正化法72条2項)。

 

ウ 不適切

マンション管理業者が、重要事項を記載した書面の交付に代えて、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等又は当該管理組合の管理者等の承諾を得て当該書面に記載すべき事項を電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法により提供することができます(マンション管理適正化法72条6項)。

 

エ 適切

管理業務主任者は、重要事項の説明をするときは、説明の相手方に対し、管理業務主任者証を提示しなければなりません(マンション管理適正化法72条4項)。

したがって、相手からの請求の有無にかかわらず、管理業務主任者証を提示する必要があります。

まとめ

マンション管理業者が行う重要事項説明に関する設問です。

本問題を通して重要事項説明における特徴を整理して覚えましょう。

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02

本問はマンション管理業者が管理組合との間で管理受託契約(管理委託契約と同じです。どちらの立場から見たのかというだけの違いです)を締結しようとするときに、あらかじめ区分所有者管理者及び管理者に対して、管理業務主任者に説明させなければならない重要事項ついてのマンション管理適正化法(以下、管理適正化法)の規定を問うものです。

 

重要事項の説明は、悪く言えば素人である管理組合側を保護するための規制です。ですからその視点で考えれば、完全とは言わないまでもある程度の判断はできます。
もちろん、きちんと憶えるに越したことはありません。

 


アは「適切」ではありません。

 

マンション管理業者は説明会を開催する義務がありますが、それは契約締結の1週間前までである必要はありません。
極端な話、説明会が終わったその日に契約締結でも構いません。

説明会の1週間前までに区分所有者等及び管理者等の全員に対して重要事項と説明会の日時場所を記載した書面の交付を行わなければならないだけです。

 

管理適正化法第72条第1項「マンション管理業者は、管理組合から管理事務の委託を受けることを内容とする契約((略)以下「管理受託契約」という。)を締結しようとするとき(略)は、あらかじめ、国土交通省令で定めるところにより説明会を開催し、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等及び当該管理組合の管理者等に対し、管理業務主任者をして、管理受託契約の内容及びその履行に関する事項であって国土交通省令で定めるもの(以下「重要事項」という。)について説明をさせなければならない。この場合において、マンション管理業者は、当該説明会の日の一週間前までに、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等及び当該管理組合の管理者等の全員に対し、重要事項並びに説明会の日時及び場所を記載した書面を交付しなければならない。」
 

これは憶えていないと難しいかも知れません。

 


イは「適切」です。

 

アの例外として、同一条件での契約更新の場合には、説明会の開催は不要です。
 

管理適正化法第72条第2項「マンション管理業者は、従前の管理受託契約と同一の条件で管理組合との管理受託契約を更新しようとするときは、あらかじめ、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等全員に対し、重要事項を記載した書面を交付しなければならない

 

この場合、重要事項を記載した書面を区分所有者等全員に交付し、かつ、管理業務主任者に、管理者等に対して当該書面を交付した上で説明させるだけで足ります(それも不要となる例外もあります)。

 

管理適正化法第72条第3項「前項の場合において当該管理組合に管理者等が置かれているときは、マンション管理業者は、当該管理者等に対し、管理業務主任者をして、重要事項について、これを記載した書面を交付して説明をさせなければならない。ただし、当該説明は、認定管理者等から重要事項について説明を要しない旨の意思の表明があったときは、マンション管理業者による当該認定管理者等に対する重要事項を記載した書面の交付をもって、これに代えることができる。」

 


ウは「適切」ではありません。

 

重要事項を記載した書面を電子情報処理組織を使用する方法等で代替する場合には、区分所有者等又は管理者等の承諾が必要です。
重要事項説明は管理組合側の保護のための規定です。書面は誰でも読めますが、電子情報処理組織を使用する方法等は、管理組合側が対応困難ということもあり得ます。とすれば、管理業者の都合で決めることはできず、あくまでも管理組合側がいいと言わなければダメだというのは当然でしょう。

 

管理適正化法第72条第6項「マンション管理業者は、第1項、第2項及び第3項ただし書の規定による書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等又は当該管理組合の管理者等の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって前項の規定による措置に代わる措置を講ずるものとして国土交通省令で定めるものにより提供することができる。(後段略)」

 


エは「適切」です。

 

重要事項説明を行う者が管理業務主任者であることは必須の要件であり、その資格を証明する必要は常にあります。
管理業務主任者に説明させるのは、重要事項の内容をきちんと理解している人間に説明させることで説明義務を正しく履行させ、管理組合側を保護するためです。
そもそも、管理組合側が管理業務主任者が説明しなければならないことを知らないことすらあり得るわけで、管理組合側の保護を考えれば、資格証明を必ず行わせるのは適切だと言えます。

 

管理適正化法第72条第4項「管理業務主任者は、第一項又は前項の説明をするときは、説明の相手方に対し、管理業務主任者証を提示しなければならない。」

 

相手方に提示を求められたかどうかは書いてありませんから、常に提示が必要です。

 


以上、「適切なもの」はイとエの2つです。

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