管理業務主任者 過去問
令和5年度(2023年)
問41

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問題

管理業務主任者試験 令和5年度(2023年) 問41 (訂正依頼・報告はこちら)

「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  • 新築住宅の売主は、構造耐力上主要な部分又は雨水の浸入を防止する部分として政令で定めるものについて、引渡しの時から10年間、瑕疵(かし)担保責任を負わなければならない。

  • 新築住宅の瑕疵担保責任について、瑕疵を修補する責任に限定し、契約の解除や損害賠償の請求はできないこととする特約は無効である。
  • 新築住宅とは、新たに建設された住宅で、かつ、まだ人の居住の用に供したことのないもので、建設工事完了の日から起算して2年を経過していないものをいう。
  • 新築住宅の売買契約において、特約により、構造耐力上主要な部分及び雨水の浸入を防止する部分だけでなくその他の部分も含め、瑕疵担保責任の期間を引き渡した時から20年以内とすることができる。

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この過去問の解説 (2件)

01

品確法に関する問題です。

選択肢1.

新築住宅の売主は、構造耐力上主要な部分又は雨水の浸入を防止する部分として政令で定めるものについて、引渡しの時から10年間、瑕疵(かし)担保責任を負わなければならない。

適切

 

新築住宅の売主は、買主に引き渡した時から10年間、住宅の構造耐力上主要な部分等の瑕疵担保の責任を負います(品確法95条1項)。

選択肢2. 新築住宅の瑕疵担保責任について、瑕疵を修補する責任に限定し、契約の解除や損害賠償の請求はできないこととする特約は無効である。

適切

 

新築住宅の売主は、買主に引き渡した時から10年間、住宅の構造耐力上主要な部分等の瑕疵担保の責任を負います(品確法95条1項)。

この規定に反する特約で買主に不利なものは、無効とします(同条2項)。

したがって、契約の解除や損害賠償の請求をできないとすることとする特約は、買主に不利なものとなり、無効です。

選択肢3. 新築住宅とは、新たに建設された住宅で、かつ、まだ人の居住の用に供したことのないもので、建設工事完了の日から起算して2年を経過していないものをいう。

不適切

 

新築住宅とは、新たに建設された住宅で、まだ人の居住の用に供したことのないもの(建設工事の完了の日から起算して1年を経過したものを除く。)をいいます(品確法2条2項)。

したがって、建設工事完了の日から起算して2年ではなく、1年を経過していないものが新築住宅となります。

選択肢4. 新築住宅の売買契約において、特約により、構造耐力上主要な部分及び雨水の浸入を防止する部分だけでなくその他の部分も含め、瑕疵担保責任の期間を引き渡した時から20年以内とすることができる。

適切

 

新築住宅の売買契約においては、構造耐力上主要な部分又は雨水の浸入を防止する部分、その他の住宅の瑕疵について担保の責任を負うべき期間は、注文者又は買主に引き渡した時から20年以内とすることができます(品確法97条)。

まとめ

10年や1年、20年といった期間については混同しやすいため、本問題を通して正しく理解しましょう。

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02

本問は、住宅の品質確保の促進等に関する法律(以下、品確法)の瑕疵担保責任に関する基本的な問題です。憶える分量としてはそれほど多くなく、2年連続で同じような問題が出ているのでしっかり覚えておきましょう。


瑕疵担保責任の条文自体は4条しかなく、ざっくりまとめると、
建築時から1年を経過しない新築住宅であって明らかに一時使用のために建設されたのではないもの(第96条)の請負(第94条)又は売買(第95条)において、構造耐力上主要な部分又は雨水の浸入を防止する部分の瑕疵担保責任は、建物の引渡しの時から原則10年で最長20年(第97条)
という内容です。

 

瑕疵担保責任の内容は、民法の規定によります。
すなわち、損害賠償(民法第415条)、解除(民法第541条及び第542条)、追完請求権(民法第562条)、代金減額請求権(民法第563条)です。

 

また、瑕疵担保責任を問うことができる期間も民法の規定によります。
すなわち、瑕疵を知った時から1年以内に相手方に通知することが必要です(民法第566条及び第637条)。
ただし相手方が瑕疵につき悪意又は重過失がある場合は、期間制限はありません

 

引渡しの時というのは、
請負(つまり、注文住宅)ならば、請負人が注文者に引き渡した時
売買(つまり、建売住宅)ならば、売主が買主に引き渡した時
です。
ただし、売主が請負人に発注して建てた場合、つまり請負人→売主→買主という2段の引渡しがある場合には、先の引渡し、つまり請負人から売主への引渡しの時になります。
これは一緒に憶えておきましょう。

 

ちなみに瑕疵担保責任の対象となる「構造耐力上主要な部分又は雨水の浸入を防止する部分」については、特約で範囲を拡大することは当然できます。

選択肢1.

新築住宅の売主は、構造耐力上主要な部分又は雨水の浸入を防止する部分として政令で定めるものについて、引渡しの時から10年間、瑕疵(かし)担保責任を負わなければならない。

「最も不適切」ではありません。

 

その通りです。
構造耐力上主要な部分又は雨水の浸入を防止する部分(=構造耐力上主要な部分等)が建物にとって非常に重要な部分であるため、買主に対して10年間の瑕疵担保責任を負わせています。

 

品確法第95条第1項「新築住宅の売買契約においては、売主は、買主に引き渡した時(当該新築住宅が住宅新築請負契約に基づき請負人から当該売主に引き渡されたものである場合にあっては、その引渡しの時)から十年間、住宅の構造耐力上主要な部分等の瑕疵について、民法第415条、第541条、第542条、第562条及び第563条に規定する担保の責任を負う。」

選択肢2. 新築住宅の瑕疵担保責任について、瑕疵を修補する責任に限定し、契約の解除や損害賠償の請求はできないこととする特約は無効である。

「最も不適切」ではありません。

 

構造耐力上主要な部分又は雨水の浸入を防止する部分(=構造耐力上主要な部分等)についての10年間の瑕疵担保責任の内容を限定する特約は、買主に不利な特約なので無効となります。

 

品確法第95条第2項「前項の規定に反する特約で買主に不利なものは、無効とする。」

選択肢3. 新築住宅とは、新たに建設された住宅で、かつ、まだ人の居住の用に供したことのないもので、建設工事完了の日から起算して2年を経過していないものをいう。

「最も不適切」です。よってこの肢が正解です。

 

2年ではなく1年です。知らないとどうしようもありませんが、この程度は憶えてください。

 

品確法第2条第2項「この法律において「新築住宅」とは、新たに建設された住宅で、まだ人の居住の用に供したことのないもの(建設工事の完了の日から起算して一年を経過したものを除く。)をいう。」

 

カッコ書きの部分です。
大雑把に新築住宅とは、誰も住んだことのない建設から1年以内の住宅と考えていいでしょう。

選択肢4. 新築住宅の売買契約において、特約により、構造耐力上主要な部分及び雨水の浸入を防止する部分だけでなくその他の部分も含め、瑕疵担保責任の期間を引き渡した時から20年以内とすることができる。

「最も不適切」ではありません。

 

肢の記述通り、瑕疵担保責任の対象となる範囲及び期間を特約により拡張することができます。
範囲については規制はないので契約次第で自由に広げることができます(狭めるのは他の肢にある通り、品確法第94条第2項に反します)。
期間については20年まで伸ばすことができます。

 

品確法第97条「住宅新築請負契約又は新築住宅の売買契約においては、請負人が第94条第1項に規定する瑕疵その他の住宅の瑕疵について同項に規定する担保の責任を負うべき期間又は売主が第95条第1項に規定する瑕疵その他の住宅の瑕疵について同項に規定する担保の責任を負うべき期間は、注文者又は買主に引き渡した時から二十年以内とすることができる。」

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