管理業務主任者 過去問
令和5年度(2023年)
問34
問題文
管理組合法人に関する次の記述のうち、区分所有法によれば、不適切なものはいくつあるか。
ア 規約で、数人の理事のみが共同して管理組合法人を代表する旨を定めることはできない。
イ 理事の任期を、規約で5年と定めることができる。
ウ 管理組合法人の成立前の集会の決議、規約及び管理者の職務の範囲内の行為は、成立後の管理組合法人についても効力を生ずる。
エ 管理組合法人の代表理事に管理者を兼任させることができる。
ア 規約で、数人の理事のみが共同して管理組合法人を代表する旨を定めることはできない。
イ 理事の任期を、規約で5年と定めることができる。
ウ 管理組合法人の成立前の集会の決議、規約及び管理者の職務の範囲内の行為は、成立後の管理組合法人についても効力を生ずる。
エ 管理組合法人の代表理事に管理者を兼任させることができる。
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問題
管理業務主任者試験 令和5年度(2023年) 問34 (訂正依頼・報告はこちら)
管理組合法人に関する次の記述のうち、区分所有法によれば、不適切なものはいくつあるか。
ア 規約で、数人の理事のみが共同して管理組合法人を代表する旨を定めることはできない。
イ 理事の任期を、規約で5年と定めることができる。
ウ 管理組合法人の成立前の集会の決議、規約及び管理者の職務の範囲内の行為は、成立後の管理組合法人についても効力を生ずる。
エ 管理組合法人の代表理事に管理者を兼任させることができる。
ア 規約で、数人の理事のみが共同して管理組合法人を代表する旨を定めることはできない。
イ 理事の任期を、規約で5年と定めることができる。
ウ 管理組合法人の成立前の集会の決議、規約及び管理者の職務の範囲内の行為は、成立後の管理組合法人についても効力を生ずる。
エ 管理組合法人の代表理事に管理者を兼任させることができる。
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この過去問の解説 (2件)
01
不適切なものは「ア、イ、エ」の三つです。
ア 不適切
理事が数人あるときは、規約によって、数人の理事が共同して管理組合法人を代表すべきことを定めることを妨げません(区分所有法49条5項)。
イ 不適切
理事の任期は、2年とします。ただし、規約で3年以内において別段の期間を定めたときは、その期間とします(区分所有法49条6項)。
したがって、理事の人気を、規約で5年と定めることはできません。
ウ 適切
管理組合法人の成立前の集会の決議、規約及び管理者の職務の範囲内の行為は、管理組合法人につき効力を生じます(区分所有法47条5項)。
エ 不適切
管理者の規定は、管理組合法人には、適用しません(区分所有法47条11項)。
したがって、管理組合法人の代表理事に管理者を兼任させることはできません。
管理組合法人の特徴を本問題を通して確認しましょう。
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02
本問は、管理組合法人に関する区分所有法の規定を問うものです。
数字は憶えていないとつらいのですが、基本的知識なので問題自体はそれほど難しいものではありません。
特に共同代表の定めは法人法制一般と同じですからこれを迷うのは基礎知識が足りません。
アは「不適切」です。
管理組合法人の理事は原則としては各自代表、つまり、一人一人が独立して管理組合法人の代表権を有します。
しかし、規約等によって、共同でなければ代表権を行使できない(つまり共同代表)とすることは可能です。
区分所有法第49条第4項及び第5項「4 理事が数人あるときは、各自管理組合法人を代表する。
5 前項の規定は、規約若しくは集会の決議によつて、管理組合法人を代表すべき理事を定め、若しくは数人の理事が共同して管理組合法人を代表すべきことを定め、又は規約の定めに基づき理事の互選によつて管理組合法人を代表すべき理事を定めることを妨げない。」
特定の理事のみが代表権を有する(つまり代表理事を置く)ことも可能とも書いてあります。
代表理事は、規約又は集会の決議で選ぶ場合と、理事の互選(つまり理事会で選ぶ)の場合があります。
イは「不適切」です。
理事の任期は原則2年最長3年です。5年にはできません。
区分所有法第49条第6項「理事の任期は、二年とする。ただし、規約で三年以内において別段の期間を定めたときは、その期間とする。」
最短は文言上は1日でも構いませんが、現実的には1年でしょう。
ウは「不適切」ではありません。
管理組合が法人格を取得し管理組合法人となった場合、法人となる前の管理組合に関する法律上の権利義務関係はそのまま管理組合法人に引き継がれます。
したがって、従前の集会の決議、規約及び管理者の職務の範囲内の行為の効力はそのまま管理組合法人にも及びます。
区分所有法第47条第5項「管理組合法人の成立前の集会の決議、規約及び管理者の職務の範囲内の行為は、管理組合法人につき効力を生ずる。」
管理組合が法人格を取得したことをもって、従前の管理組合に関する決定事項等が効力を失ってしまっては不都合なのは想像がつくでしょう。
法人格を取得する前の権利能力なき社団であった管理組合と法人格を取得した後の管理組合法人は実質的に同じものであり、法人格の取得の前後で法律上の権利義務関係に異同をきたすのは望ましくありません。
会社法では、権利能力なき社団である成立前の会社と設立登記により成立した会社は実質において同一であり、成立前の会社のした行為等の法律上の効力は成立後の会社の会社に当然に及ぶという同一性説が通説ですが、それと同じだと思っていいです。
エは「不適切」です。
そもそも管理組合法人では管理者は選任できません。
理事が管理者の職務を行うので、独立した「管理者」という地位を設定する必要がないのです。
区分所有法第47条第11項「第4節及び第33条第1項ただし書(第42条第5項及び第45条第4項において準用する場合を含む。)の規定は、管理組合法人には、適用しない。」
「第4節」とは区分所有法第1章第4節「管理者」のことです。
第4節中に第25条があります。
区分所有法第25条第1項「区分所有者は、規約に別段の定めがない限り集会の決議によつて、管理者を選任し、又は解任することができる。」
この規定が適用されないということは、「管理組合法人においてはそもそも区分所有者は管理者の選任ができない」ということです。
以上、「不適切なもの」は、アイエの3つです。
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