管理業務主任者 過去問
令和5年度(2023年)
問25

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問題

管理業務主任者試験 令和5年度(2023年) 問25 (訂正依頼・報告はこちら)

修繕積立金の二つの積立方式に関する次の記述のうち、修繕積立金ガイドラインによれば、最も不適切なものはどれか。
  • 均等積立方式は、将来にわたり定額負担として設定するため、将来の増額を組み込んでおらず、安定的な修繕積立金の積立てができる。
  • 均等積立方式であっても、その後の長期修繕計画の見直しにより増額が必要になる場合もある。
  • 段階増額積立方式は、修繕資金需要に応じて積立金を徴収する方式であり、当初の負担額は小さく、多額の資金の管理の必要性が均等積立方式と比べて低い。
  • 段階増額積立方式は、将来の増額が決まっているため、修繕積立金が不足することはない。

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この過去問の解説 (2件)

01

修繕積立金ガイドラインに関する問題です。

選択肢1. 均等積立方式は、将来にわたり定額負担として設定するため、将来の増額を組み込んでおらず、安定的な修繕積立金の積立てができる。

適切

 

均等積立方式は、将来にわたり定額負担として設定するため、将来の増額を組み込んでおらず、安定的な修繕積立金の積立てができるのが特長です(修繕積立金ガイドライン4(2))。

選択肢2. 均等積立方式であっても、その後の長期修繕計画の見直しにより増額が必要になる場合もある。

適切

 

均等積立方式であっても、その後の長期修繕計画の見直しにより増額が必要になる場合もあります(修繕積立金ガイドライン4(2))。

選択肢3. 段階増額積立方式は、修繕資金需要に応じて積立金を徴収する方式であり、当初の負担額は小さく、多額の資金の管理の必要性が均等積立方式と比べて低い。

適切

 

段階増額積立方式は、修繕資金需要に応じて積立金を徴収する方式であり、当初の負担額は小さく多額の資金の管理の必要性が均等積立方式と比べて低いのが特長です(修繕積立金ガイドライン4(2))。

選択肢4. 段階増額積立方式は、将来の増額が決まっているため、修繕積立金が不足することはない。

不適切

 

段階増額積立方式の留意点として、将来の負担増を前提としており、計画どおりに増額しようとする際に区分所有者間の合意形成ができず修繕積立金が不足する場合があります(修繕積立金ガイドライン4(2))。

まとめ

修繕積立金の積立方式には「均等積立方式」「段階増額積立方式」があります。

それぞれの特長と留意点を本問題を通して確認しましょう。

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02

本問は、修繕積立金の二つの積立方式である①均等積立方式②段階増額積立方式について、「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」(修繕積立金ガイドライン)の内容を問う問題です。
基本的な知識ですが、言葉の意味がわかれば論理的に考えて答えは出せます。


修繕積立金の積立方法には、
①均等積立方式
②段階増額積立方式
の2種類があります。
「均等積立方式」は、長期修繕計画の修繕工事費の累計額(予算)を計画期間で均等割りにして、徴収ごと(一般に毎月)の徴収額を同一にするやり方です。
「段階増額積立方式」は、長期修繕計画の修繕工事費の累計額(予算)を単純に均等割りにせず、最初は額を少なくして、徐々に値上げしていく方式です。

 

また、積立てた修繕積立金以外に、
③修繕時に一時金を徴収する方式
④修繕時に金融機関等から借入れを行う方式
を併用することもあります。

 

ちなみに、修繕積立金の運用方法として、「マンションすまい・る債」という住宅金融支援機構が発行する利付債券があります。
また、共用部分の改良工事の資金を借り入れるための「マンション共有部分リフォーム融資」という融資制度もあります。


修繕積立金ガイドラインは、国交省のウェブサイト住宅:マンション管理 - 国土交通省にリンクがあります。
ざっとでいいので一度くらいは目を通しておいた方がいいでしょう。27ページしかありませんし。

選択肢1. 均等積立方式は、将来にわたり定額負担として設定するため、将来の増額を組み込んでおらず、安定的な修繕積立金の積立てができる。

「最も不適切」ではありません。

 

均等積立方式は、単純に、修繕計画期間内の予算総額を期間で割ることで、積立金の額を毎月一定額に揃える方式です。
毎月の額をあらかじめ決めてあるので増額変更の手続きが必要とならず、区分所有者の合意を得られないということがないため安定的な積立が見込めます。

 

令和6年6月7日改訂版「修繕積立金ガイドライン」P.16に、均等積立方式の特長として肢の通りそのままの記述があります。

選択肢2. 均等積立方式であっても、その後の長期修繕計画の見直しにより増額が必要になる場合もある。

「最も不適切」ではありません。

 

均等積立方式は、修繕計画期間内の予算総額を期間で割ったものであるため、社会経済情勢の変化により予算が増えれば当然、そのままでは不足する事態になります。ですから、修繕計画の見直しにより予算が増えたことで生じる不足分を補うために、修繕積立金の増額の必要が生じることは当然あり得ます。

 

令和6年6月7日改訂版「修繕積立金ガイドライン」P.16に、均等積立方式の留意点として肢の通りそのままの記述があります。

選択肢3. 段階増額積立方式は、修繕資金需要に応じて積立金を徴収する方式であり、当初の負担額は小さく、多額の資金の管理の必要性が均等積立方式と比べて低い。

「最も不適切」ではありません。

 

段階増額積立方式は、期間の経過に伴ってあらかじめ定めた方法で積立金の額を増額する方式です。
ということは、修繕積立金の額が少ない最初のうちは、当然積立金総額も少なくなります。そのため、期間全体を通して平均的に見れば管理する資金の額が均等積立方式に比べて少なくなります。

 

令和6年6月7日改訂版「修繕積立金ガイドライン」P.16に、段階増額積立方式の特長として肢の通りそのままの記述があります。

選択肢4. 段階増額積立方式は、将来の増額が決まっているため、修繕積立金が不足することはない。

「最も不適切」です。よってこの肢が正解です。

 

将来的な増額があらかじめ決まっているとしても、実際の増額の際には、総会決議(普通決議、事情によっては特別決議)が必要になります。そうすると、いざ増額しようとした際に、反対者が続出して否決ということも起こり得ます。

 

令和6年6月7日改訂版「修繕積立金ガイドライン」P.16に、均等積立方式の留意点として「将来の負担増を前提としており、計画どおりに増額しようとする際に区分所有者間の合意形成ができず修繕積立金が不足する場合がある。」という記述があります。

 

また、元々事前予測に基づいて積立額を決めるのですから、社会経済状況の変化いかんによっては予測を上回ってしまって足りないということは当然起こり得ます。
その辺は均等積立方式でも不足が生じることがあり得るのと同様です。

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