管理業務主任者 過去問
令和5年度(2023年)
問19
問題文
ガス設備及び給湯設備に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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問題
管理業務主任者試験 令和5年度(2023年) 問19 (訂正依頼・報告はこちら)
ガス設備及び給湯設備に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 潜熱回収型ガス給湯機の潜熱回収で発生する酸性の凝縮水は、確実に機器内で中和処理し、排水系統に排出する。
- 湯待ち時間とは、給湯栓を開放してから湯が出てくるまでの時間のことである。
- 深夜電力温水器とは、夜間の電力を使用して加熱した水をタンク内にためておいて給湯するものである。
- 密閉燃焼式のガス機器の強制給排気方式(FF方式)とは、ファンにより屋外より燃焼用空気を取り入れ、自然換気力により排気する方式をいう。
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この過去問の解説 (2件)
01
ガス設備及び給湯設備に関する問題です。
適切
潜熱回収型ガス給湯機の潜熱回収で発生する酸性の凝縮水は、確実に機器内で中和処理し、排水系統に排出します。
適切
湯待ち時間とは、給湯栓を開放してから湯が出てくるまでの時間のことです。
適切
深夜電力温水器とは、夜間の電力を使用して加熱した水をタンク内にためておいて給湯するものです。
不適切
密閉燃焼式のガス機器の矯正給排気方式(FF方式)とは、ファンにより屋外より燃焼用空気を取り入れ、かつ燃焼後の排気ガスもファンにより排気する方式のことをいいます。
ガス設備及び給湯設備に関する特徴を本題を通して確認しておきましょう。
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02
本問は給湯器、ガス機器についてのほとんど常識的知識を問う問題です。
しかも日本語の問題として普通に読めば正解できます。
絶対に落とせないサービス問題です。間違えたら恥だと思ってください。
「最も不適切」ではありません。
その通りです。
これは知らないと正誤は判らないです。しかし他の肢に明らかに間違っているものがあるので、知らなくても正解はできます。
潜熱回収型ガス給湯器とは、簡単に言うと、従来捨てていた給湯器の燃焼ガスの排気の熱を再利用して水を予熱することで熱効率を高めた給湯器です。一般に家庭用はエコジョーズという愛称がついています。
従来型の給湯器は、高温の燃焼ガスを通す一次熱交換器(高温の燃焼ガスの熱を低温の水に移すのが交換器です)でのみ水を加熱して、その熱効率は概ね80%程度、つまり2割の熱は大気中に捨てています。
潜熱回収型ガス給湯器では、捨てていた排気熱を再利用するために一次熱交換器の前に二次熱交換器を設置して、一次熱交換器による加熱の前に排気熱で水を予熱してあらかじめ温度を上げます。
この際、二次熱交換器を通った排気ガスを水の凝縮点以下(60℃程度)まで冷やすことで排気ガス中の水蒸気から潜熱(*)を回収するので「潜熱回収型」と言います(単純に熱交換により排気の熱を水に移動して排気温度が下がるという話だけなら顕熱回収です)。
給水温度は、よほど暑い夏の日でもせいぜい40℃台なので熱交換により排気ガスの温度を60℃程度までは十分下げられます。裏返して見れば、排気ガスを給水で冷却しているということです。
つまり、単に排気ガスを再利用してその熱を回収するだけでなく、排気ガスを100℃以下まで冷やすことで凝縮により放出される潜熱まで利用するので「潜熱回収型」というわけです。
これにより、熱効率を95%程度まで高めることに成功しています。
この潜熱回収のために排気ガスの温度を下げて水分を結露させた水には排気ガス中の二酸化炭素、窒素酸化物が溶け込んでいるために酸性になります。
これをそのまま排水するのは環境にも下水管にも悪影響がありますから、中和器を設けて中和しています。
(*)物質の態が変化するときに必要な熱エネルギーで、態変化に伴い物質から放出又は物質に吸収されます。
潜熱回収型ガス給湯器の場合、水蒸気という気体が水という液体に態変化することで潜熱である凝縮熱が放出されます。
「最も不適切」ではありません。
その通りです。
給湯器から給湯場所の水栓(給湯栓)までの間の給水管内部の水は、時間経過により冷めます。
その状態で水栓を開けた場合、温度の下がった給水管内の水をすべて排出して、給湯器内で加温した温水が出るまで時間が掛かります。
この時間を「湯待ち時間」と言います(ちなみに湯待ち中に流す水は捨て水と言います)。
読んで字の如しですから間違えようがないないと思います。
なお、湯待ち時間が生じる理由は他にも原因がありますが、一番大きいのは、上記の給湯器から水栓までの配管内に残る温度の下がった捨て水の存在だと思って構いません。
「最も不適切」ではありません。
その通りです。
深夜電力は日中の電力よりも料金が安いので、割安な電力で湯を沸かして1日の分のお湯をタンクに貯湯しておく方式を深夜電力温水器と言います。
これも読んで字の如しですね。
実際には、この深夜電力温水器による夜間帯の電力需要の増加に対応して電力会社が夜間割引を縮小廃止しているので以前ほど割安ではなくなっています。
「最も不適切」です。よってこの肢が正解です。
問題に答えが書いてあります。
「強制給"排"気」と言っているのですから、排気が「自然換気力」であるわけがありません。
FF式ガス器具とは、密閉強制給排気式のガス器具のことです。
Forced Flue、つまり強制送気ということです。
外気をファンで取り込んで燃焼に利用しそれをファンで強制的に排気するという方式です。
外気を燃焼用に使っているので、室内の空気が汚れない(換気が不要)という利点があります(ほかにも利点はあります)。
ちなみに他に、
・密閉自然給排気のBF(Balanced Flue)式。
・半密閉(室内の空気を吸気して室外へ排気する)強制給排気のFE(Forced Exhaust)式
・半密閉自然給排気のCF(Conventional Flue)式
・開放式
があります。
なお、CF式は新規の設置は法律で禁止されているので、将来的には消滅するでしょう。
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