管理業務主任者 過去問
令和5年度(2023年)
問15
問題文
消防法に規定する防火管理者が行わなければならない業務に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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問題
管理業務主任者試験 令和5年度(2023年) 問15 (訂正依頼・報告はこちら)
消防法に規定する防火管理者が行わなければならない業務に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 防火管理者として選任された旨の都道府県知事への届出
- 消防計画に基づく消火、通報及び避難の訓練の実施
- 消防の用に供する設備等の点検及び整備
- 避難又は防火上必要な構造及び設備の維持管理
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この過去問の解説 (2件)
01
防火対象物の管理について権原を有する者は、政令で定める資格を有する者のうちから防火管理者を定め、政令で定めるところにより、
以下の業務を行わせなければならない(消防法第8条1項)。
・当該防火対象物について消防計画の作成
・当該消防計画に基づく消火、通報及び避難の訓練の実施
・消防の用に供する設備、消防用水又は消火活動上必要な施設の点検及び整備
・火気の使用又は取扱いに関する監督
・避難又は防火上必要な構造及び設備の維持管理
・収容人員の管理
・その他防火管理上必要な業務
不適切
防火対象物で政令で定めるものの管理について権原を有する者は、同項の規定により防火管理者を定めたときは、遅滞なくその旨を所轄消防長又は消防署長に届け出なければなりません(消防法8条2項)。
届出は所轄消防署長又は消防署長へするものであり、防火管理者が行うものではありません。
適切
消防計画に基づく消火、通報及び避難の訓練の実施は、防火管理者が行わなければならない業務です。
適切
消防の用に供する設備等の点検及び整備は、防火管理者が行わなければならない業務です。
適切
避難又は防火上必要な構造及び設備の維持管理は、防火管理者が行わなければならない業務です。
防火管理者が行わなければならない業務を、本問題を通して理解するようにしましょう。
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02
本問は消防法第8条に定める防火管理者の業務について問うものです。
防火管理者というのは、簡単に言えば、実際の建物において、火災の予防、火災への対処、火災による被害(の拡大)防止のための各種の防火管理に有効、必要な業務を行う人のことです。
知識問題ではありますが、一つだけ毛色の異なる肢があるので、正解を出すのは比較的容易だと思います。
消防法第8条に定める防火管理者の業務は、
①消防計画の作成
②消防計画に基づく消火、通報及び避難の訓練の実施(訓練の実施)
③消防の用に供する設備、消防用水又は消火活動上必要な施設の点検及び整備(設備等の点検整備)
④火気の使用又は取扱いに関する監督
⑤避難又は防火上必要な構造及び設備の維持管理(構造及び設備の維持管理)
⑥収容人員の管理(複合用途型でないマンションでは実際上あまり関係ありません)
⑦その他防火管理上必要な業務
です。
「その他」となっているので「その他」の前と後ろは並列と読むのが法文の用語法の通例です。
これが「その他の」となっていた場合には、通例では「その他の」の前にあるものは、「その他の」の後にあるものの例示になります。
※引用条文の項番号が〇囲みになっていますが、これは法律の原文に項番号が付いていないものにわかりやすいように後付けしたものです。項番号はもともと段落の番号なので段落を数えればわかるのですが、数が増えると数えるのにも手間が掛かります。そこで、便宜的に項番号を振ります。
比較的制定又は改正した法令では原文自体に項番号が付いていて、その場合〇囲みではなく普通の数字になります。
「最も不適切」です。よってこの肢が正解です。
防火管理者を選任した場合に選任の届出義務を負うのは、管理権"原"(*)者です。防火管理者本人ではありません。
また、届出先は所轄の消防庁又は消防署長です。都道府県知事ではありません。
一般的に言って、法令の規定により何らかの役職者を選任した場合、選任された人ではなく選任した人が届け出るのが通常だということは判ると思います。
また、たかが一マンションの防火管理者の届出を都道府県知事に対してするというのは、話が大げさすぎるというのもピンとくるでしょう。
そういう意味では、常識で答えが出せると言えます。
他の肢の正誤が分からなくても、この肢が明らかにおかしいとい判断できる程度の常識的推理力は身に付けておきましょう。
(*)権原
権限ではありません。権原とは、簡単に言えば法律上の根拠のことだと思ってください。「管理について権原を有する者」とは、管理について法律上の根拠を有する者という意味です。権限は、権原がある者が結果として有する法律上の一定の権能のことです。
実際のところ、どちらでも意味は通じることはよくありますが、大雑把に、根拠は権原、権限から生じる結果としての権能が権限だと思っておけば大体合ってます。
「最も不適切」ではありません。
実際の建物で行う消火、避難等の訓練の実施主体が防火管理者というのは当然でしょう。防火管理者はそのためにいるのです。
「最も不適切」ではありません。
実際の建物に設置されている消防設備等の点検整備は、防火管理者がその責任において行うのは当然でしょう。防火管理者はそのためにいるのです。
「最も不適切」ではありません。
消防設備点検等と同様、避難、防火のための構造、設備は実際の建物そのもの又はその設備であり、その構造、設備の維持管理を防火管理者が行うのは当然でしょう。防火管理者はそのためにいるのです。
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