管理業務主任者 過去問
令和5年度(2023年)
問50
問題文
マンション管理業者に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法によれば、最も適切なものはどれか。
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問題
管理業務主任者試験 令和5年度(2023年) 問50 (訂正依頼・報告はこちら)
マンション管理業者に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法によれば、最も適切なものはどれか。
- マンション管理業者は、公衆の見やすい場所に、その登録番号等を記載した標識を掲示しなければならないが、当該マンション管理業者が複数の事務所を有する場合は、そのうち主たる事務所にのみ掲示すればよい。
- 国土交通大臣は、マンション管理業者の役員が、「暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律」第2条第6号に規定する暴力団員であることが判明した場合は、当該マンション管理業者に対し、1年以内の期間を定めて、その業務の全部又は一部の停止を命ずることができる。
- マンション管理業者は、契約の成立時の書面を交付するときは、管理組合に管理者等(当該マンション管理業者が当該管理組合の管理者等である場合を除く。)が置かれている場合には、当該管理組合の管理者等に対してのみ交付すればよい。
- マンション管理業者は、毎月、管理事務の委託を受けた管理組合のその月における会計の収入及び支出の状況に関する書面を作成し、当該管理組合の管理者等に交付していれば、マンション管理適正化法第77条に規定する管理事務の報告を行うときは、当該管理組合の事業年度に係る会計の収入及び支出の状況については報告を省略することができる。
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この過去問の解説 (2件)
01
マンション管理業者に関する問題です。
不適切
マンション管理業者は、その事務所ごとに、公衆の見やすい場所に、国土交通省令で定める標識を掲げなければなりません(マンション管理適正化法71条)。
したがって、主たる事務所にのみ掲示するのでは足りません。
不適切
国土交通大臣は、マンション管理業者が「暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律」第2条第6号に規定する暴力団員に該当するときは、その登録を取り消さなければなりません(マンション管理適正化法83条1項)。
したがって、1年以内の期間を定めて、その業務の全部又は一部の停止を命ずることができるわけではありません。
適切
マンション管理業者は、契約の成立時の書面を交付するときは、当該管理組合の管理者等が置かれている場合には、当該管理組合の管理者等に対してのみ交付すれば足ります。
一方、当該管理組合に管理者等が置かれていない場合にあっては、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等全員に交付しなければなりません(マンション管理適正化法73条1項)。
不適切
マンション管理業者は、毎月、管理事務の委託を受けた管理組合のその月における会計の収入及び支出の状況に関する書面を作成し、翌月末日までに、当該書面を当該管理組合の管理者等に交付し、管理業務主任者をして、当該管理事務に関する報告をさせなければりません(マンション管理適正化法77条1項、マンション管理適正化法施行規則87条5項、同88条1項)。
したがって、当該管理組合の事業年度に係る会計の収入及び支出の状況については報告を省略することはできません。
マンション管理業者がなすべき役割を、本問題を通して確認しましょう。
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02
本問は、マンション管理業者についてのマンションの管理の適正化の推進に関する法律(以下、管理適正化法)による規制について、雑多な知識を問う問題です。
相互の肢に関連がなく、常識ですべて判断できるとも言い切れないので知らないとなかなか難しい問題かもしれません。
管理適正化法は、記憶すべき知識としてはそれほど多くないので地道に勉強するのが結局は一番だと思います。
「最も適切」ではありません。
マンション管理業者は、その登録番号等必要事項を記載した標識を公衆の見やすい場所に掲げる義務がありますが、それは「事務所ごとに」必要です。
管理適正化法第71条「マンション管理業者は、その事務所ごとに、公衆の見やすい場所に、国土交通省令で定める標識を掲げなければならない。」
これは当たり前だと思ってください。
そもそも「公衆の見やすい場所」と言っている時点で、標識を掲げる目的は、公衆に告知をするためです。
だとすると、事務所に来た人がその事務所において見られなければ意味がないでしょう?事務所が複数あってお客がそれぞれに来所するのですから、その事務所で完結させるのが当然だということです。
なお、必要事項の具体的な内容は、①登録番号②登録の有効期間③商号等④代表者氏名⑤主たる事務所の所在地及び電話番号です(管理適正化法施行規則第81条に規定する別記様式第26号)。
ちなみに以前はその事務所の選任の管理業務主任者の名前も掲示事項でしたが、令和6年6月30日に改正規則が施行されています。この古い様式は、同年9月末までに新しい様式に交換する罰則付き義務がありました。未だに代えていない事務所はないと思いますが。
この変更の理由は、標識をウェブに掲載することを推奨することにしたので、プライバシーに配慮したとのことです。
「最も適切」ではありません。
マンション管理業者の役員に、「暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律」第2条第6号に規定する暴力団員に該当する者がいることは登録の拒否事由であり、登録後に当該事実が判明した場合、国土交通大臣は、登録を取り消さなければなりません。
営業停止では済みません。
管理適正化法第83条「国土交通大臣は、マンション管理業者が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録を取り消さなければならない。
一 第47条第一号、第三号又は第五号から第十一号までのいずれかに該当するに至ったとき。
(第二号以下略)
」
管理適正化法第47条第十号「法人でその役員のうちに第一号から第八号までのいずれかに該当する者があるもの」
管理適正化法第47条第七号「暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(略)第2条第6号に規定する暴力団員又は同号に規定する暴力団員でなくなった日から五年を経過しない者(第十一号において「暴力団員等」という。)」
管理委託契約について、当事者に反社が関与していることを理由に解除できることと関連して、業務について国に登録を要する場合には、暴力団等を排除する要請が強いということは、一般論として憶えておいて良いと思います。
「最も適切」です。よってこの肢が正解です。
管理適正化法第73条第1項「マンション管理業者は、管理組合から管理事務の委託を受けることを内容とする契約を締結したときは、当該管理組合の管理者等(当該マンション管理業者が当該管理組合の管理者等である場合又は当該管理組合に管理者等が置かれていない場合にあっては、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等全員)に対し、遅滞なく、次に掲げる事項を記載した書面を交付しなければならない。
(各号略)
」
管理組合との間に管理委託契約が成立したら、重要な内容について管理者へ知らせろという話です。
管理者がいるのであれば管理者が知っていれば十分な話なので管理者に知らせれば十分ということです。これは憶えるしかないと思います。
「最も適切」ではありません。
月々の収支に関する書面を交付していれば年次の収支報告を不要とする規定はありません。
そもそも月々の収支に関する書面と事業年度ごとに行う年次会計報告は別ものです。
月々の報告があったとしても会計年度末には決算を行って会計年度全体としての収支をまとめなければなりませんから月次報告の有無と無関係に年次の報告をするのは当たり前と思ってください。
参考条文
管理適正化法施行規則第87条第5項「マンション管理業者は、毎月、管理事務の委託を受けた管理組合のその月(以下この項において「対象月」という。)における会計の収入及び支出の状況に関する書面を作成し、翌月末日までに、当該書面を当該管理組合の管理者等に交付しなければならない。(後段略)」
管理適正化法施行規則第88条第1項「マンション管理業者は、法第77条第1項の規定により管理事務に関する報告を行うときは、管理事務を委託した管理組合の事業年度終了後、遅滞なく、当該期間における管理受託契約に係るマンションの管理の状況について次に掲げる事項を記載した管理事務報告書を作成し、管理業務主任者をして、これを管理者等に交付して説明をさせなければならない。
一 報告の対象となる期間
二 管理組合の会計の収入及び支出の状況
三 前二号に掲げるもののほか、管理受託契約の内容に関する事項」
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