管理業務主任者 過去問
令和5年度(2023年)
問21
問題文
長期修繕計画作成ガイドラインに関する次の記述のうち、適切なものはいくつあるか。
ア 単棟型のマンションの長期修繕計画は、管理規約に定めた組合管理部分である敷地も対象とする。
イ 建物及び設備の調査・診断を長期修繕計画の見直しのために単独で行う場合は、長期修繕計画に必要とされるすべての項目について漏れのないように行う。
ウ 計画修繕工事の実施の要否、内容等は、事前に調査・診断を行い、その結果に基づいて判断する。
エ 長期修繕計画は、将来実施する計画修繕工事の内容、時期、費用等を確定するものである。
ア 単棟型のマンションの長期修繕計画は、管理規約に定めた組合管理部分である敷地も対象とする。
イ 建物及び設備の調査・診断を長期修繕計画の見直しのために単独で行う場合は、長期修繕計画に必要とされるすべての項目について漏れのないように行う。
ウ 計画修繕工事の実施の要否、内容等は、事前に調査・診断を行い、その結果に基づいて判断する。
エ 長期修繕計画は、将来実施する計画修繕工事の内容、時期、費用等を確定するものである。
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問題
管理業務主任者試験 令和5年度(2023年) 問21 (訂正依頼・報告はこちら)
長期修繕計画作成ガイドラインに関する次の記述のうち、適切なものはいくつあるか。
ア 単棟型のマンションの長期修繕計画は、管理規約に定めた組合管理部分である敷地も対象とする。
イ 建物及び設備の調査・診断を長期修繕計画の見直しのために単独で行う場合は、長期修繕計画に必要とされるすべての項目について漏れのないように行う。
ウ 計画修繕工事の実施の要否、内容等は、事前に調査・診断を行い、その結果に基づいて判断する。
エ 長期修繕計画は、将来実施する計画修繕工事の内容、時期、費用等を確定するものである。
ア 単棟型のマンションの長期修繕計画は、管理規約に定めた組合管理部分である敷地も対象とする。
イ 建物及び設備の調査・診断を長期修繕計画の見直しのために単独で行う場合は、長期修繕計画に必要とされるすべての項目について漏れのないように行う。
ウ 計画修繕工事の実施の要否、内容等は、事前に調査・診断を行い、その結果に基づいて判断する。
エ 長期修繕計画は、将来実施する計画修繕工事の内容、時期、費用等を確定するものである。
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この過去問の解説 (2件)
01
適切なものは「ア・イ・ウ」の三つです。
ア 適切
長期修繕計画の対象の範囲は、単棟型のマンションの場合、管理規約に定めた組合管理部分である敷地を対象とします(長期修繕計画作成ガイドライン第2章第1節2一)。
イ 適切
建物・設備の調査・診断を長期修繕計画の見直しのために単独で行う場合は、長期修繕計画に必要とされるすべての項目について漏れのないように行います(長期修繕計画作成ガイドラインコメント第2章第2節4)。
ウ 適切
計画修繕工事の実施の要否、内容等は、事前に調査・診断を行い、その結果に基づいて判断します(長期修繕計画作成ガイドライン第2章第1節2二④)。
エ 不適切
長期修繕計画は、作成時点において、計画期間の推定修繕工事の内容、時期、概算の費用等に関して計画を定めるものです。 したがって、長期修繕計画は、将来実施する計画修繕工事の内容、時期、費用等を確定するものではありません。また、一定期間(5年程度)ごとに見直していくことを前提としています(長期修繕計画作成ガイドライン第2章第1節2三)。
長期修繕計画作成ガイドラインからの出題です。
ガイドラインの原文を読み込み、内容を理解することが重要です。
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02
本問は、長期修繕計画ガイドラインの基本的な知識を問う問題です。
単純な知識問題ですが、多少あいまいな知識でも常識で解けるレベルの問題です。
長期修繕計画作成ガイドライン(以下単にガイドライン)は、国交省のウェブサイトの住宅:マンション管理 - 国土交通省にリンクがあります。
コメントまで含めて140ページもありますから、全部目を通すのはなかなか現実的ではありませんが、テキスト、過去問に登場した部分は適宜参照して目を通しておくのがよいと思います。
詠むとしたら前書き部分と第3編「長期修繕計画作成ガイドライン・同コメント」以下だけでいいと思います。それでも100ページ以上ありますが。
アは適切です。
長期修繕計画は、基本的に個々の区分所有者が自己の責任において管理する範囲以外、つまり、管理組合が管理すべきものすべてについての計画です。
敷地にしても例えば法面、擁壁などの修繕整備は必要ですし、これが日常的な修繕のレベルに留まるわけではないので、ここでやらなかったらどこでやるのかという常識的な判断で正解できます。
ガイドライン第2章第1節2「基本的な考え方」
「一 長期修繕計画の対象の範囲
単棟型のマンションの場合、管理規約に定めた組合管理部分である敷地、建物の共用部分及び附属施設(共用部分の修繕工事又は改修工事に伴って修繕工事が必要となる専有部分を含む。)を対象とします。」
同コメント
「◆単棟型のマンションの場合、標準管理規約では、敷地、建物の共用部分及び附属施設(建物の専有部分を除く部分)の管理については、「管理組合がその責任と負担においてこれを行うものとする。」としています。」
「◆組合管理部分の修繕工事には、①経常的な補修工事(管理費から充当)、②計画修繕工事及び③災害や不測の事故に伴う特別修繕工事があります。このうち、長期修繕計画は、計画修繕工事を対象としたものです。」
標準管理規約(単棟型)第21条「敷地及び共用部分等の管理については、管理組合がその責任と負担においてこれを行うものとする。ただし、バルコニー等の保存行為(区分所有法第18条第1項ただし書の「保存行為」をいう。以下同じ。)のうち、通常の使用に伴うものについては、専用使用権を有する者がその責任と負担においてこれを行わなければならない。
2 専有部分である設備のうち共用部分と構造上一体となった部分の管理を共用部分の管理と一体として行う必要があるときは、管理組合がこれを行うことができる。」
なお、
同コメント
「◆共用部分の配管給排水管の取替えに併せて、専有部分の給排水管の取替えを行う場合には、あらかじめ長期修繕計画において専有部分の給排水管の取替えについて記載し、その工事費用を修繕積立金から拠出することについて管理規約に規定する等、区分所有者間で十分に合意形成を図っておくことが必要です。また、これらの合意形成がなされる前に工事を行った区分所有者に対しては、当該区分所有者に対する補償の有無等について留意することが必要です。」
この、本来区分所有者が管理し修繕費等を負担すべきところを管理組合の管理、負担としている例外の話は毎年何回も出る重要事項なので、絶対に憶えておきましょう。
ついでの余談ですが、排水管の専有部分は一般的に言えば排水口から排水本管(縦管)に繋がる枝管部分ですが、枝管部分であっても、自己の専有部分から点検修理ができず、他の専有部分に立ち入らなければならないような構造の場合、専有に属しない建物の付属物として共有部分となるという有名判例(最判平成12年3月21に)があります。これも試験範囲なのでついでに憶えておきましょう。
建物の付属物について専有部分と共用部分を分ける基準は、大雑把に言えば、専有部分の使用者だけが単独で使用、点検、修繕するべきで、かつ、することができる部分は専有部分だと思っておけばだいたい合ってます。
イは適切です。
長期修繕計画の見直しのために行う調査・診断なのですから、長期修繕計画に必要な全項目についてやります。
当然でしょう。
これが、特定部分の修繕等の必要性の判断のためなら、当該修繕等に必要な項目だけやればいいということになります。
「単独で」というのが余計な表現で判りにくくしていると思いますが、要するに、他に「併せて」修繕等をやるわけではないという話でしょう。長期修繕計画の見直し目的の調査・診断は現実の修繕等を前提としていないという意味で「単独」と言っているのだと思います。
ガイドライン第2章第2節4「調査・診断の実施」コメント
「◆長期修繕計画の見直しのために単独で行う場合は、長期修繕計画に必要とされるすべての項目について漏れのないように行います。」
ウは適切です。
計画修繕が必要かどうか、必要としてどういう修繕をするのかということを判断するためには、現状の把握が必要ですから、事前に調査・診断を行うのは当然のことです。
事前調査等なしに判断できるわけがありません。
これも常識ですね。
ガイドライン第2章第1節2「基本的な考え方」
「二 長期修繕計画の作成の前提条件
長期修繕計画の作成に当たっては、次に掲げる事項を前提条件とします。
(①ないし③略)
④計画修繕工事の実施の要否、内容等は、事前に調査・診断を行い、その結果に基づいて判断する。
同コメント
「◆長期修繕計画の推定修繕工事は、設定した内容や時期はおおよその目安ですし、費用も概算です。したがって、計画修繕工事を実施する際は、その基本計画の検討時において、建物及び設備の現状、修繕等の履歴などの調査・診断を行い、その結果に基づいて内容や時期等を判断します。(なお書略)
エは適切ではありません。
計画はあくまでも計画です。
予定は未定、計画段階ですべてを確定することは不可能です。
これも単なる常識の問題です。
ガイドライン第2章第1節2「基本的な考え方」
「三 長期修繕計画の精度
長期修繕計画は、作成時点において、計画期間の推定修繕工事の内容、時期、概算の費用等に関して計画を定めるものです。
推定修繕工事の内容の設定、概算の費用の算出は、新築マンションの場合、設計図書、工事請負契約書による請負代金内訳書及び数量計算書等を参考にして、また、既存マンションの場合、保管されている設計図書のほか、修繕等の履歴、劣化状況等の調査・診断の結果に基づいて行います。
したがって、長期修繕計画は、次に掲げる事項のとおり、将来実施する計画修繕工事の内容、時期、費用等を確定するものではありません。また、一定期間(5年程度)ごとに見直していくことを前提としています。
①推定修繕工事の内容は、新築マンションの場合は現状の仕様により、既存マンションの場合は現状又は見直し時点での一般的な仕様により設定するが、計画修繕工事の実施時には技術開発等により異なることがある。
②時期(周期)は、おおよその目安であり、立地条件等により異なることがある。
③収支計画には、修繕積立金の運用利率、借入金の金利、物価・工事費価格及び消費税率の変動など不確定な要素がある。」
同コメント
「◆本文に掲げる事項のとおり、作成又は見直し時点で数十年先までの推定修繕工事の内容等を設定することには限度があります。したがって、長期修繕計画は、将来実施する計画修繕工事の内容、時期、費用等を確定するものではなく、計画修繕工事の実施時の見積りのように修繕設計を基にして詳細に積算することまでは求めていません。また、一定期間(5年程度)ごとに見直すことを前提としています。
ガイドライン第2章第1節2「基本的な考え方」「二 長期修繕計画の作成の前提条件」コメント
「◆長期修繕計画の推定修繕工事は、設定した内容や時期はおおよその目安ですし、費用も概算です。(以下略)」
以上、適切なものはアイウの計3つです。
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